雪がまず積もらない地の人は、古来雪を雪月花として愛でるが、過重な雪の現実は、人を生気の世界から隔絶させる。
かの人は、地表一面を覆うくるぶしほどの僅かな積雪に、新世界ニューワールドを見るような顔をする。降雪集中地には、背丈の倍も3倍も積もる。上から雪を眺め、酌み交わす情緒はない。

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