見出し画像

ことばはいらねぇ

 「すき」について説明するのって難しいですよね。その「すき」を共有している人と話すことは無限にできるんだけど、自分の好きなもの、事を知らない人に伝えるのほど何より難しいことは無いと思うんですよね。

別に人に自分の好きな事について知ってもらう必要があるか、と言われたらそんなにないような気もするんだけど、その人の好きなことを知るっていうことは、その人を知るってことにもなるし、自分のことを知ってもらうためにも1番手っ取り早い方法だったりするんじゃないかなーと思います。

というのも大学の講義のひとつに面接技法を学ぶ、みたいな科目がありまして、そのプロローグ的な意味で自分の好きな事についてプレゼンしてみよう!みたいな活動をしたわけです。
 その講義を受けている人の感想の中で、「普段は人前で喋るの苦手だったけど、好きな事についてだと沢山喋ることができた」っていうのが割と多く上がってたんですね。

一方僕はと言うと、好きな気持ちというか、熱意が現れすぎちゃって全然うまく説明出来なかったんです。自分の好きな気持ちを形容する言葉が出てこなかったというか。好きなもんは好きってしか言えないじゃん、みたいな。
正直なところをいうと、もっともっと自分の深い所に刺さってて自分の一部になってしまってるんですわ、言葉で人に説明できるような次元にないんですわ、という感じ。

みんなはどっちなんでしょう?


逆に説明される側のことを考えてみたら、好きな事の細かな要素について説明されるよりも、その熱意とか気持ちについて言葉足らずでも熱く語ってくれた方が見ていて嬉しい気持ちになるというか。お前のそういう所が見たかったんだよーっ!ってなりません?

何が言いたいかというと、
「すき」を伝えるのに言葉はいらねぇ
ってことですよ。
その人の話し方とか、目の輝きとか、表情とか、体の動きでも充分伝わると思うんですよ、気持ちは。

逆に言葉巧みに説明されてもしっくりこないというか。人間っていうものは何かと理由とか説明をつけたがるもので、それがあると安心するんですわ。
「私のどこが好き???」と確認したがるのは相手の好きな気持ちを確かめて安心したいから。それを言わせた男は行動でちゃんと示せよ、とは思いますが。

SNSだったり、何かと文字だけが、言葉だけが独り歩きしてしまう事が多くなっているけれど、本当に大事なのはその言葉にのっている気持ちや感情をキャッチすること、しようとすることだと思うんです。
そうやって、言葉で気持ちを武装させるんじゃなくて、自分の気持ちに素直でいたいものだな、と思います。その結果が、下手くそな説明だったとしても、それが自分だ、と思えるはず。

せめて、自分の気持ちにだけは、素直でいよう

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?