ニューヨーク旅行記 ニューヨーク出発までのゴタゴタ

テンション高く成田空港に到着した僕。

しかし案内板を見た瞬間、僕は思わず床に崩れ落ちそうになってしまった。


なぜなら、ニューヨーク行きの飛行機がキャンセルになっていたのだ。


「なぜだ?」

「なんでなんだ??」


事実がわかった瞬間、そこからパニック状態である

そして、

「ホテル予約のキャンセルはどうする?」

「代わりの飛行機は?」

と色々理解が追いつかず、頭の中が混乱状態になってしまった。


そんな時ふとチェックインカウンターを見てみると、僕が搭乗する飛行機に乗る予定だった乗客が、今後の対応を求めて長蛇の列を作っている。とにかくじっとしていてもしょうがないので、早速その列に並ぶ。


あまりに予期せぬことと、お盆休みの時期ということで、列に並ぶ乗客は皆困惑と苛立ちの表情を浮かべている。

また最悪なことに、列が全く動かない。1時間、2時間といたずらに時間だけが過ぎていく。


ただ冷静に考えると、これはしょうがないことだった。なぜならニューヨークで乗り継ぎをしたりなどする予定の人もいるかもしれないから、予定変更の手続きで時間を使うのは当然のことである。


一方僕は、ダメもとでチケットを手配した旅行会社に電話したが、

「航空会社のトラブルはうちでは対応できない」

という反応だった。

今度は母親に電話しようと思ったのだが、ちょうどこの日母は友人と旅行の為ベルギーのブリュッセルに滞在していたことに改めて気づいた。



この時日本の時刻は午後3時。ベルギーとは−7時間の時差だから、おそらく朝で起きているだろうと思い電話。今回起こった事情を説明したら、まさかの出来事でかなり驚いていた。

実は母も出発日に台風が成田近くを通過。6時間遅れで出発するなどトラブルに巻き込まれていたのだった。


たった4日前には、このトラブルを他人事だと思っていたのに、まさか自分はそれ以上のトラブルになるとは‥。電話を切って外を見ると、ユナイテッド航空の飛行機が2台駐機していた。

おそらくサンフランシスコ行きとヒューストン行きだと思うが、


「サンフランシスコ便を選んでいれば(涙)」


と思わず悔しさが込み上げる。


どのくらい列に並んで待っていただろう。3時間、いや4時間くらいだろうか、ようやく自分の順番が回ってきた。

ユナイテッド航空のスタッフによると、今日出発するのは無理らしく、明日の午後になってしまうとのこと。一瞬スケジュールが大幅に狂ってしまうのを恐れたが、行かなければ何も始まらないので翌日の午後2時30分の臨時便に乗ることを決め、なんとか飛行機の座席は確保することができた。


そしてユナイテッド航空からは、今晩の宿泊費と出発時間までの食事代を負担してくれるとのことで、請求書を渡された。レシートと一緒に請求書を同封して、指定の住所に送って欲しいとのことである。


色々と言いたいことはあったが、ショックと並び疲れで何も言うことができなかった。(ちなみにキャンセルの原因は、今だに何があったのかわかっていない)


そして困ったのは宿泊先だ。

この日はちょうどお盆休みの日。なので千葉や東京の宿は軒並み満室の状態だった。困った僕は東京に住む弟の所に電話。事情を説明して一晩だけ泊めて欲しいと言ったら、奇跡的にOKの返事をもらった。

夏休み中でありながら、弟が家にいてくれたのはラッキー以外の何者でもない。


やがて手続きは全て終了。せっかく重い荷物を抱えてきたのに飛行機に乗れないという悲劇。窓の外から見える夕日を眺めた瞬間、虚しさや悲しみなどでいろいろな感情がぐちゃぐちゃになっていた。


夏休みで賑わっている成田空港。しかし僕にはその賑わいが全く聞こえなかった。


こうして失意の僕は再び京成スカイライナーの切符を購入。食事のために京成上野駅に足を運ぶことにした。本当だったら今頃機内にいたはずなのに、「これからどうしよう?」と車内でずっと考え不安と闘っていた。

やがてスカイライナーは上野に到着。駅の近くにあるラーメン屋でつけ麺を食べる。この食事代はユナイテット航空に負担してもらうので、忘れずに領収書を発行してもらう。


それから弟のアパートへ。そしてニューヨークで宿泊するホテルに、到着が1日遅れるというのを伝えるため国際電話をかける。とりあえず詳細を英語で説明したが、どうにか通じたようで一安心だ。一通り終わったら、疲れていたのかすぐに眠ってしまった。


そして翌朝、弟にお礼を行って出発。再び京成スカイライナーに乗って成田空港を目指す。しかしまさかスカイライナーに2日で3回も乗るとは思っていなかった。いやこれは本当に中々経験できないことではある。


見慣れた景色を眺めながら電車に揺られること37分、成田空港に戻ってきた。


「またキャンセルになったらどうしよう?」と一瞬不安にはなったが、言っても大手航空会社だ。同じ失敗を2日続けてするわけがない。チェックインを済ませ保安検査を通過。やがて飛行機は定刻通り無事に離陸した。


いきなり波乱のニューヨーク旅行。しかし現地に着いたら、さらなる波乱が待ち構えているとは、この時の僕はまだ知るよしもなかった。

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