メトロポリタン美術館に行こう(後編)2Fフロアには何があるか?
前回に引き続き、今回もニューヨークのメトロポリタン美術館を紹介していく。
今回紹介するのは、
中華系美術
巨大ペルシャ絨毯
ヨーロッパの絵画
の3点を取り上げていきたい。
この記事を読んで、少しでもメトロポリタン美術館に興味を持っていただけたら嬉しい。
それでは、早速見ていこう。
メトロポリタン美術館 アジア美術
メトロポリタン美術館には、中国やインドなど関する貴重なアート作品もたくさん展示してあった。
こちらは仏様が描かれている絵である。
詳しいことはわからないが、絵に写っている仏像の目力は凄かった。
仏教やヒンズー教など、アジアの宗教に関した像のコレクションはかなり豊富だった。
写真のような大きさの像や顔だけの小さい像まで、一つ一つ真剣に見続けていたらキリが無い。
正直途中から作品や英語の解説記事を読んで疲れてしまい、真剣に見たのは全体の40%だけだった。
作品を見ることに疲れたら、こちらに足を運ぼう。
ここは、17世紀の中国庭園を再現したもので、当時の伝統技術を使用して忠実に建設された庭園である。
写真の奥には、客人を迎え入れるためのレセプションルームも鑑賞でき、当時の中国の生活ぶりを知ることができる。
メトロポリタン美術館 巨大ペルシャ絨毯
次に紹介するのは、中東系の作品を紹介する展示室である。
いやしかし、さすが世界的美術館である。
とにかく1つの展示室に細かい作品がたくさんあり、一つ一つ見て行くのはなかなか大変だ。
この展示室は、見ての通り巨大なペルシャ絨毯が展示されている。
それにしても、こんな大きい絨毯今までの人生で見たことがあっただろうか?
この絨毯は、イランで作られた絨毯らしい。
少なくても、日本で僕は一度も見たことがない。
その細かくて繊細な模様に、思わず僕は見惚れてしまった。
メトロポリタン美術館 ヨーロッパの絵画
次に紹介するのは、メトロポリタン美術館に収蔵されているヨーロッパの絵画を紹介していこう。
コレクションの数はとにかく豊富で、数々の名作がこの美術館に納められている。
あまりに作品数が多すぎるので、とても全部を真剣に見ていくことは不可能かもれないので、予め見たい作品を予習していくか、スケジュールに余裕のある場合は別日に見学日を作って見に行くのがベストである。
ここでは一部ではあるが、メトロポリタン美術館に収蔵されている主な作品を紹介していきたい。
ミレー 「落穂拾い」
フランスの有名な画家であるミレーは、バルビソン派の創設者の1人で、代表作に「落穂拾い」、「種を蒔く人」、「晩餐」で有名である。
ミレーといえば、農民画を多く手がけたことでも知られていて、パリ郊外のバルビゾン村での農民の姿を多く描き、その繊細なタッチは後にあのゴッホにも大きな影響を与えたことでも知られている。
以前パリに行った際、オルセー美術館で運よく本物の落穂拾いを見たことがあるが、またここでミレーの作品を見れるとは思ってなかった。
絵に書かれているのは貧しい農民達の姿で、懸命に仕事に集中する農民のありの姿を描いている。
他の作品もそうだが、ミレーの作品の遠近感は天才と言ってもよいだろう。実際に美術館で見たら、その美しさにハマってしまうこと確実である。
ルノワール 「海辺にて」
続いての作品は、ルノワールが描いた名作の一つ、「海辺にて」である。
椅子に座っているのは女性で、実はルノワールの妻であるアリーヌ・シャリゴで、フランスのノルマンディで描かれた作品とされている。
ピエール=オーギュスト・ルノワール はフランスを代表する画家として有名で、長年に渡って印象派の画家として知られてきた。
しかし、この作品を描いた1883年頃から、ルノワールは新古典主義へと作品を転換する様になり、この絵はその時の代表作の一つである。
今までの、色彩で表現する印象派の絵から、線をはっきりと書くデッサンを重視した作品としたらしいのだが、まるで睨まれている様なリアリーティーの強いその顔に、僕は強く引き込まれた。
ちなみに、隣の絵もルノワールの作品で、「桃」を描いている。
なぜ桃を描いたのかは正直わからないが、こちらも素晴らしかった。
モネ 「睡蓮の池の橋」「ジウェルニー近郊のセーヌ川の朝」
モネといえば睡蓮、睡蓮といえばモネと言われるくらい、クロード・モネは睡蓮の絵で有名なフランス出身の画家である。
僕は2014年の秋にパリを訪れた際、オランシェリー美術館に収蔵されている巨大な睡蓮の大壁画を見たことがあり、その美しさに驚愕してしまった。
睡蓮の絵は、テレビやネットで何度も見ていてその素晴らしさは自分でも良くわかっていた。
が、実際に見てみると、映像で見た時の100倍、いや1000倍美しかったのである。
おまけに睡蓮の絵は撮影禁止。
だからこそ、美しさと価値が際立つんだなとあの日思った。
話をメトロポリタン美術館に戻す。
こちらの睡蓮の絵も、パリで見た時と変わらず美しかった。
パリでの感動が蘇ってくる。
モネの作品は、睡蓮だけでは無い。
こちらの絵は、「睡蓮の池の橋」という作品である。
この池と橋は、モネ自身の自宅兼アトリエの前に建造した池と草花、睡蓮を描いたモネの代表作で、この庭の設計のためにわざわざ日本から庭師を呼びよせたというエピソードがあり、日本人からしたらちょっと嬉しくなる作品だ。
モネは、日本の芸術をかなりリスペクトしていたのだろうか。
次に紹介する絵は、「ジウェルニー近郊のセーヌ川の朝」という作品だ。
モネはこの作品を、ボートに乗りながら描いたという。太陽が上がった時にセーヌ川が光る様子をこの目に焼き付けて描きたいという思いから、モネは毎日のように早朝3時にはこの場所にやって来て絵を描いていたらしい。
僕はパリの街を流れるセーヌ川しか知らないが、パリ郊外へ行ったらこんなに綺麗なんだと改めて実感した。
ゴッホ 「ルーラン夫人 ゆりかごを鳴らす女」、「アルルの女(ジルー夫人)」、「二本の糸杉」
最後に紹介するのは、ヴィンセント・ファン・ゴッホの作品である。
個人的にゴッホの作品は大好きで、オランダのアムステルダムにあるゴッホ美術館を訪れたこともあるくらいだ。
まず紹介する絵は、「ルーラン夫人 ゆりかごを鳴らす女」である。
実は同じ作品が5点存在していて、メトロポリタン美術館にあるのはその1つだ。(他はボストン美術館、クレラー・ミュラー博物館、ゴッホ美術館、シカゴ美術館)
椅子に座った女性が持っているのは、ゆりかごを揺らすための紐である。
ちなみにルーラン夫人とは、ゴッホがフランスのアルルに住んでいた頃に近所に住んでいた人とのこと。
母の愛情に飢えたゴッホの理想の母親を現した作品と言われている。
こちらは、「アルルの女(ジルー夫人)」という作品である。
このジルー夫人というのは、ゴッホが常連としてよく通っていたアルルのカフェの店主をモデルにしたと言われている。
ジルー夫人は、最初モデルになるのを拒んだらしいが、当時共同生活をしていた画家のポール・ゴーギャンに説得されて、渋々モデルを担当したらしい。
ゴッホは約1時間でこの作品を完成させ、ジヌー夫人はゴッホからこの絵をプレゼントされたとのこと。
この絵はもう一枚あって、その一枚はパリのオルセー美術館に展示されている。
最後に紹介する絵は、「二本の糸杉」である。
この絵に関しては、とにかく絵のタッチが力強い。まるで額からはみ出そうになるくらいの迫力だった。
ゴッホといえば、「ひまわり」が有名だが、彼は一時期糸杉を書くのに狂うくらいに熱中した時期があったという。
この作品が描かれたのが1889年。当時ゴッホは総合失調症(諸説あり)でフランスのサン=レミの療養所に入院していた。
どうして糸杉を書くことを選んだのか、正直それはよくわからない。
僕のスマホには計5枚のゴッホの絵の写真が収められている。
よくわからないが、ゴッホの絵には不思議な力を感じ、なぜかレンズを向けてしまうのだ。
彼の絵は、特別なパワーが込められているような気がする。絵の具のタッチを見ればわかるが、とにかく彼の作品は力強い。
また機会があったら、じっくりと彼の絵を味わってみたいものである。
最後に
今回は、前編と後編にわたって、ニューヨークのメトロポリタン美術館について書いてきた。
あくまで自分が感じたように書いたので、他の人が書いたレビューとはかなり劣ってしまうかもしれないが、メトロポリタン美術館の壮大な様子が伝われば幸いである。
次回が、ようやくニューヨーク旅行記の最終回。
最後は、ニューヨークを代表する展望台「トップオブザロック」から見えるマンハッタンの夜景を紹介する。
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