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エジンバラの小さなカフェから


ある素敵な夫婦が笑顔で入ってきた。

ロドニーストリートにあるこの小さなカフェには

お散歩中のご近所さんや旅行中のお客さんが、こうしてふらっと入って来る。もちろん常連さんも多いけれど。

10人ほどがやっと座れるくらいの この小さな店に、

ちょっとしたくつろぎの時間を求めて いろんな人が、頃合いを見計らったように入って来るのがこのカフェの魔法。

この幸せそうな夫婦も散歩がてら、この小さなカフェを見つけて入ってきてくれたようだ。

「なんて素敵な街なの。」

そう言いながらコーヒーとペストリーをオーダーする。

60歳前後の奥さんが、目を輝かせながら楽しそうにおしゃべりする。
旦那さんも、笑顔であいづちをうち、カプチーノを啜りながら新聞を読む。

この光景、この時間がわたにとっての最高のご褒美だ。

思い思いの時間を過ごした後

カップルはジャケットを着なおして。

「これからどちらかにいかれるのですか?」

「ただ散歩しているだけだけど、Dean Villageに行こうと思ってるの。
明日 帰るんだけどね。」

南イングランドから遊びに来たみたい。

「初めて来たけど この街は本当に美しいところね。
でも、家に帰るのも楽しみ。」

活気にあふれながら奥さんがそう言う。

ご夫婦でいろんな場所をこれまでも巡って来たのだけど

旅行から帰って来るたびに

「なんかこう・・・"ああ、帰って来たー!この家でよかった!"ってため息がでるくらい」

自分たちの家は世界でいちばん大好きな場所なんだとか。

そんな幸せに満ちた、旅から帰って来てもなお 安堵と共に、溢れたエネルギーが感じられるお家って、どんなに素敵な場所なんだろう?

そんな風に思いながら、

このカップルをお見送りした。

今日みたいに小雨の朝は、窓から聞こえて来る雨や鳥、木々の音が、
そんな光景を思い出させてくれる。



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