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【🍓】朝餉

朝餉
よみ: あさがれい
意味:

名詞
①天皇のとる簡単な食事。表向きの食事の「大床子(だいしやうじ)の御膳(おもの)」に対していう。朝食とは限らない。

学研全訳古語辞典

この一語と出会った本:


先月来少しずつ読み進めていて実はようやく若紫まできてはいたのだが、肝心な箇所をうっかり読み飛ばしていたことに気がついて一から読み直し。

食事にも手をつけず、朝餉に、ほんのかたちばかり箸をつけるくらいである。清涼殿での正式な昼食は、まるで関係ないもののように見向きもしないので、

27ページ(桐壺)

正餐(といって良いのか不明)は取らず、ごくごく簡単なものだけを召し上がって、ということのよう。帝を思い遣る調理担当が(正餐以外で)わざわざ帝のお好みでないものを作るとは思えないので、日頃から好んでお召し上がりになるナニモノかを心を込めてお出しすると箸こそおつけになるものの食は進まない、という感じか。そう読むと帝の深い哀しみの様子が見えてくる。すごいぞ、紫式部!

ちなみに朝餉には「あさがれい」以外にもうひとつ別の読みかたもあって、それは「あさげ」。

永谷園

あさげに、ほんのかたちばかり箸をつけるぐらいである。 と誤読しないように角田源氏には朝餉にあさがれいとルビが振ってある。すごいぞ!

あさげ、ひるげ、ゆうげ、の「げ」とはなんぞや? は、小学生の頃からの(我ながらどうでもよい)謎だったので解明されて一件落着ではある。(自分は生味噌派なのであまり飲んだことはないのだが、中3の時の担任が昼に必ず「あさげ」を飲んでいて見るたびにもやっとしていたことも今思い出したぞ。)

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