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ミシェルゴンドリーの話(ライト版)

ミシェルゴンドリーをご存知だろうか。
映像監督であり、ミュージックヴィデオを監督である。
映画の代表作は「エターナルサンシャイン」
記憶消去がビジネスとして成立する近未来、失恋の記憶を消すことを選択した男の話…だ。
当時僕は監督が誰だとか知らずに見ていたのだがその映像手法にはビックリした。
ラブストーリーとしてもSFとしてもオススメ出来る作品。
あとは音楽好きなら「僕らのミライへ逆回転」だろう。
ジャックブラックとモスデフというすごいキャスティングのコメディー。
笑えるし皮肉もあり、色んな面で面白味に富んだ作品。

と、前置きはここまでにして、彼の撮ったMVの話を今回はメインでお送りする。
まずはこちらを見ていただこう。

The Chemical Brothers/Star Guitar

代表作。2分見続ける忍耐がある人なら気づいただろう。
実はこの映像、曲のリズムに合わせて建築物などが繰り返されている。
今でこそ音に合わせて映像を編集するのは常識的な手法で、
現代では一周回ってあえて曲に映像を合わせないことが主流になっているほどだが、(その流れを作ったきっかけは米津玄師/lemonだと言われている)
単なる車窓だが単なる車窓でないと気づいてからは、これほど見入ってしまう映像も無いと思わせるほどの、
不思議なマッチ感で今でも愛されているMVだ。


Daft Punk/Around The  World

これはグループにとってもミシェルゴンドリーにとっても大切になった大ヒット作だろう。
なんといってもかわいい。コミカルなキャラがかわいい。


Kylie Minogue/Come Into My World

オーストラリアの世界的ポップスター。I Should Be So Luckyでモンスターヒットからセクシー路線に脱皮してI Just Can't Get You Out Of My Headなどさらにヒットを飛ばしたディーヴァである。
ある交差点を歩いて回るだけなのでStar Guitarと大筋は一緒なのだが、
何度見ても唸ってしまう映像の重ね方で、一体どういう頭の構造をしていれば実現できるのだろうと簡単しか漏れてこない。
しかし曲の世界観も邪魔していないバランス感覚が絶妙だ。


Steriogram/Walkie Talkie Man

この監督がすごいのは、得意なのが実写だけでなくこんなアイディアを形に出来てしまうところだ。
一体完成まで何時間毛糸を編んだのだろう、、、と想像せざるを得ない。
曲が持つとても印象に残るキャッチーなスピード感を殺さず、映像も脳裏から離れない。
それとちょっと血が出たシーンからお分かりだろうが、この人ブラックな描写も結構好きなタチである。


Kanye West feat. Adam Levine/Heard 'Em Say

当時ヒット炸裂し出したMaroon5のボーカルをいち早く客演に招いての、
カニエにとって大事なセカンドアルバムの収録曲。
同アルバムからは「Diamonds From Sierra Leone」などのヒットが生まれるが、デビュー作と比べると調整したのかポップな曲は控えめとなっていた印象。
映像に関してだが、この曲はゴンドリーがフランス人だからか2バージョンあり、これはアメリカ版。
しかしこのアニメーションが寂しい曲の雰囲気に合っていたせいか、
2006年のMTVベストヒップホップヴィデオを受賞している。
ゴンドリートしてもカニエとしても貴重なアニメV、含蓄が深い。


Cibo Matto/Sugar Water

映像編集技術の最高峰はこれではなかろうか。曲の世界観を崩さず、しかし魅力を引き出しているこの摩訶不思議映像。
気怠いながらもふんわりとした曲調に、ストーリー性が強い映像で何度も見たくなる完成度に。
個人的には、粉かけて即寝するところ(笑)と、
詞に合わせて黒猫が横切るところが最高に好きだ。


さて、今回はここまで。

もう少し突っ込んでいきたい話もあるが上長にもなっても良くないので、
追記版として別にしてみようかと計画中。

この世界には素晴らしいミュージックヴィデオがたくさんあるので、
それに少しでも興味を持ってもらえたら幸いだ。

ビールと音楽とクリエイティブを中心に少し突っ込んだことをまとめるように心がけています。 サポートしていただけると心の励みになります。