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2022年醸造開始のブリュワリーのビールを飲み比べた話。

仕事が忙しくnoteの仕様変更を挟むほどに間が空いてしまったが、ビール活動は続けている。

とはいえインプットばかりで手一杯だしネタを考える暇もなかったけど、
たまにはアウトプットしないとしょうがないので絞り出したテーマがこちら。
ここ数年新設醸造所が後をたたず業界でももう数が多すぎて把握できないという声を聞くようになった。
SNSでの投稿で初めて見聞きする機会も増えている。
飲み手にとっては選択肢が増えるのは有り難いことだが、実際知りたいのはやっぱり「おいしいのかどうか」
これに尽きるだろう。
それを調べるために僕のこの胃袋と肝臓はある(使命感)
流通開始したばかりでまだまだ手に入りにくい今年醸造開始の醸造所のビールを可能な限り飲み比べ感想をまとめてみた。
是非皆さまの参考にしてください。


用意できたのは以下の4醸造所。

左から
①BREW CLASSIC
②open air
③HEISEI BREWING
④O/A NAGASAKI CRAFT BEER

①BREW CLASSIC

①から順番に。
BREW CLASSICは石川県は金沢、金沢港近くにできた醸造所。
石川県といえば米を使った百万石さんなどが有名な地ではあるが、
伝統が長く続く土地という印象がそこかしこにある。
BREW CLASSIC HPはこちら

関東での露出は多くないが、「ウラタイガービバヘイズ」を飲んだよ、という投稿は何度か見かけたことがある。
ラベルのインパクトを裏切る高い品質であるという意見がよく見受けられた。
自分がBREW CLASSICを知ったきっかけはinstagram。
「金沢で新しい醸造所を建設中です」という投稿を見かけて以来ずっと気にかけていた感じ。

飲んだのはこちら。

いやぁこのラベルすごいww

バズソングドッグディスコ

ライム、シトラスなどトロピカルなアロマ。
アマリロ、シトラ、モザイクと有名ホップだけのDDHペールエール(!)だが、
とっつきにくさはなくシルキーな口当たりが良い。やはりラベル詐欺。
温度上昇で辛味が出るが適温で飲めば全く気にならないレベルなので問題なし。
5%か。この満足度、このクオリティなら言うことない。
小売価格は850円前後の模様。

所在地:石川県金沢市無量寺2-80


②open air

なんでも神戸のとある元給食室を醸造所にリノベーションしたらしい。
比較的関東にも缶の流通が多く今回の4つの中では最も見かけるというか、かなり人気が出てきている様子。
洗練されたラベルデザインも好かれる理由かと。
HPはこちら

既にタップテイクオーバーやメディア露出も多いらしく、
激戦区関西でもキラリと光る存在感を見せている。
特に注目すべきはSNSでの投稿写真と、フルーツ使いの妙。
フルーツが浮かんでいる写真って面白い!現代的な感性が素敵!

飲んだのはこちら。

ラズベリーウィート

ラズベリーと小麦がちょうどよくマッチした、鉄板の組み合わせではあるが地に足がついたとも言える一本。
ベリー系は酸味と甘味のレベルが肝だろうから、弱すぎても強すぎてもダメなわけだが、
そこを小麦でワンクッション置くことによってソフトなバランスを獲得している。

様々なビールを発表しているが価格帯は800円台くらいからな模様。

所在地: 神戸市兵庫区雪御所町2-18-102


③HEISEI BREWING

日本酒でも有名な新潟は長岡から、酒屋併設なんと元々は醤油メーカーからのビール事業ということでそれだけでもかなり気になるポジション。
だからなのか自由な発想?による珍しい副原料を使ったビールが印象的。
HPはこちら。


長岡では2番目の醸造所ということで地元の大学生とコラボしたり、
とにかく長岡を盛り上げたいパッションがひしひしと伝わってきて好感。
クラフトビールって本来はローカルなものだから、地元回帰はこれからも一つのキーワードになりそう。
フォトジェニックなデザインは訴求力が高い。

飲んだのはこちら。

魚沼蕎麦

オーソドックスなスタイルもあったが、これぞ魚沼!という一本をチョイス。
ストレートなネーミング通り、なんとそばを使用した珍しいビール!
蕎麦だけでなく花崗岩のようなナチュラルなアーシーさと、ローストトーストアロマが渾然一体としている。
ボディもライトミディアム且つ水飴を入れるバランス感覚の高さが素晴らしい。
蕎麦をしっかり感じられるのに飲みにくさが皆無で、「ただただ作ってみた」という商品でなく「作った意味がある」ような一本となっている。
700円台から買えるビールもあり、オンラインショップも利用できる。

所在地:新潟県 長岡市川崎町字山崎778-1


④O/A NAGASAKI CRAFT BEER

長らく醸造所不毛地帯であった長崎県の、市内についにオープンした醸造所。
目覚町という名前の街にあるMEZAME HOSTELというホステル併設/ブリューパブという形でオープン。
飲める食える泊まれる、って最強すぎる…
HPはこちら


飲んだのはこちら。

アウェイク

カスケードホップを使ったアメリカンペールエール。
「ペールエールはピルスナーと違い、ゴクゴク系ではなく香りを楽しむもの」という基本を思い出すようなオールドスクールバランス。
案外モルティでもしやと思いきや麦芽はやはりイギリス産。甘みよりは酸味があるタイプ。スモーキーさも。
キースヘリング調のラベルも面白い 
師事された方の影響なのだろうか、今の流行とは違う渋めのレシピだなーというのが第一印象。
正直ペールエールの出来はもう一声、といった心地だが、若い醸造所なのでこれからいくらでも伸びようがあり、他のビールも飲んでみたい。
小売価格600円台から購入できる銘柄もあり。

所在地:長崎県長崎市目覚町11-2​


シメの一言

設立や建設を含めるともっと前だが、一応醸造開始が1月だったり春だったりで全て今年から「飲める」ようになった所で、
自分でも気になっていて入手できたビールをテイスティングしてみた。
ジャッジとしても上位に入りそうだなーと思う銘柄もあり、
今後に期待したい気持ちもあり、万感の思い。。
しかしコロナの影響もあり皆さんカンニングシステムの導入スピードの速さには驚きますな。。
これから立ち上げるブリュワーの方にはマストな設備となりそう。
今年も残り半年。さぁこれからの日本のビールがどうなるのか楽しみ。



購入場所:クラフトビールシザーズ 秋葉原店さん
上記の最新醸造所から古典名作ビールまで小さいながらバリエーション豊か且つお手頃な値段で手に入る&タップもあるので生も角打ちもできちゃうお店。
この品揃えは目白田中屋さんでは逆に今では無理そうなので、オススメ店。


ビールと音楽とクリエイティブを中心に少し突っ込んだことをまとめるように心がけています。 サポートしていただけると心の励みになります。