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【シティリーグ準優勝】ロストカイオーガのメモ

はじめに

 こんにちは、「ひぬ」(@1chandog)と申します。

 今回は竜星のPAO大宮店で行われたシティリーグS2(定員100名)に参加してきたので、その感想レポートみたいなものを書いていきます。使用デッキはロストカイオーガです。予選は4−1で5位抜け、トーナメントは決勝まで進んだものの、準優勝という結果に終わりました。

 ここ最近のシティリーグは2大会連続で予選敗退となってしまっていた中で、周りのプレイヤーが結果を残していたこともあり、かなり焦りとプレッシャーがありました。その中でも練習に付き合ってくれた仲間や友人たちのおかげで勝ち上がれたので、この場を借りてお礼をさせていただきます。

 メモ書き程度に残しておくつもりですが、内容が良ければスキとか拡散してもらえると励みになります。最後までお付き合いしていただけると幸いです。

当日のマッチング

シティリーグS2@大宮にて使用したデッキリスト

予選4−1(5位抜け)
1戦目 ゾロアークバレット先攻6-2⭕
 スマホケースがまさかの同じで驚きました。ゾロアークが何してくるのか分からなすぎて謎にマナフィ置いてしまった。

2戦目 ルギアVstar(Aライコウ)先攻6−3⭕
 マナフィ置けてないのにアメイジングライコウ出てきたけど、動かれなかったので何とかなった。

3戦目 ロストカイオーガ後攻5−4⭕️投了
 後攻1ターン目からおとぼけスピットでサイドを先行できたものの、最後にカイオーガ通されたら負けの盤面で釣り竿+クイックボールでマナフィが着地できたので勝ち筋なくて投了をもらいました。

4戦目 ドガスバット(ゾロアーク軸)後攻2−6❌
 2枚採用のグングンシェイクをトップで引かれたので煙で遭難して負け。アクロマの実験は山札を15枚近くめくりましたが、1枚も引けませんでした。

5戦目 ロストバレット(Vバレット?)先攻6−2⭕
 カイリューVやらトレッキングシューズやら森の封印石が見えた時点で考えるのを止めました。分からん。のちに後1からミラージュゲートを使えるように構築されたデッキだと判明しました。後1で月光手裏剣飛んできてたら怪しいゲームでした。

トナメ(準優勝)
1戦目 ルギアVstar後攻6−5⭕
 ムーランドVスタートがキツかったらしく、ウッウにおかわりファングしてくれたので竿+クイックボールから2回目のおとぼけスピットで取れたのが大きかった。

2戦目 フュージョン後攻6−4⭕
 手札悪すぎてモジモジしてたらサイコジャンプ連打されてキュワワーが枯れかけてしまいました。サイド3枚とられた状況から、ザマゼンタのかたきうちで切り返して最後カイオーガ通して勝ち。相手はドラピオンVをケアした立ち回りをしていたので中身がバレにくいロストって強いと思いました。

準決勝 ロストカイオーガ(再戦)先攻1−0⭕投了
 お互いカイオーガスタートで苦笑い。後2まで何も引かなかったらしく、投了をもらいました。

決勝 ドガスダイナ先攻0−4❌投了
 順当に煙で遭難し、アクロマの実験が引けるまで時間稼ぎしていました。サイド残り3のときにムゲンダイナVMAXがバトル場に出たのでカビゴン+ボスの指令と次のカイオーガで2ターンあれば勝てると思って引いたトップはVIPパスでした、負け。

デッキ選択と環境考察

 私事ですが、卒業論文に追われる中で、いかに短時間で結果を残すかが最大の焦点でした。多くのデッキを触って悩めるほどの時間を確保できないと判断して、CL京都直前くらいからロストカイオーガでいくことだけ決めていました。
 以下、3点ほどロストカイオーガを選んだ理由を述べます。

 まず、ロストギミックを用いたデッキは、中身がバレない限り、相手のプレイングで対策されにくいと考えたためです。環境が煮詰まりつつあった状況で、世間に広く知れ渡っている完成度の高そうなリストをそのまま使うのは危険だと判断しました。
 練習の段階では、カイオーガが入っている前提の動きをしてもらっていたおかげで、マナフィとムーランドVが同時に出てくるのがキツいことが分かり、当日の朝までツツジを採用するか悩み続けました。

 次に、圧倒的な先行有利ゲームから抜け出すことができるためです。後攻を取らされた際にどれだけ強い動きで返せるか、サイドレースの観点から大きく遅れを取りにくい構築であることが、デッキを選ぶ基準にありました。
 ロストギミックを用いたデッキは、後攻側の方がロストを無理なく溜めやすい点や、ウッウのおとぼけスピットでダメージを乗せられる点が強く、サイドを獲得できる可能性やイージーウィンが期待できます。

 最後に、カイオーガという強烈な捲りプランがある点です。カイオーガのアクアストームが通れば、2〜4枚のサイドを獲得できるため、ゲーム展開に多少遅れても勝ち筋を残しやすいという点が魅力的でした。
 ルギアVstarからアメイジングライコウの採用が減っていたため、マナフィをプレイする優先度が多少下がってきていることも追い風となり、アクアストームを通しやすいと判断しました。

 Vスターユニバース環境については、空の封印石の登場がロストバレットの可能性を広げてくれましたが、パラダイムトリガー環境から大きく変化はないものと考えていました。ルギアVstarを筆頭に、ロストバレットやフュージョン、その他色々いる中で、CL京都にてBest4にガラルマタドガス(かがくへんかガス)+ムゲンダイナVMAXのデッキが残っていました。特性を止めることが現環境の答えであることを暗に示していると感じました。

 ガラルマタドガス(以下、ドガス)はルギアVstarやミュウVMAXと組み合わせるだけでなく、単構築として組むデッキも存在しており、相手のリソース
を削りながら毒で詰みに持っていく動きを強みとするタイプも存在します。
ロストカイオーガを持ち込む上で、ドガスを採用したデッキが増えてしまうことは死活問題でした。調整段階でもドガス対面は、勝率1〜2割程度であり、ほぼ勝てないことが分かりました。

 しかし、ドガスは一度相手の盤面が完成すると特性を止めても押し切られてしまうことが多いです。環境に多いとされているルギアVstarもボスの指令+プライマルターボが一度でも使えてしまえば、意外と押し切れてしまいます。そのため、環境に増えても10%程度だと考え、ドガスが採用されたデッキ以外に全部勝てば良いと諦めをつけました。

デッキレシピと調整の過程

【デッキコード】1kFkVf-57HpTa-kVkfkk

 当日に使用したデッキレシピは上記の通りです。このリストが完成するまでに5〜6個のデッキリストを触りました。悩んだ過程も含めて書き残しておこうと思います。なぜロストカイオーガにボスの指令を入れたのか、基本鋼エネが入っているのにザマゼンタ2枚目<カビゴンなのか等を言語化してみようと思います。
 ロストカイオーガを現環境で使う上で、調整段階で考えた課題点が2つあります。

①「ムーランドV”おかわりファング”を返しのターンで処理できるか」
→闘アタッカーorベルト+カビゴンorザマゼンタ
②「ガラルマタドガス”かがくへんかガス”を乗り越えるための手段」
→あなぬけのヒモ、ボスの指令、エネ要求が軽くて場持ちの良いポケモン、ロスト7枚までの到達(ミラージュゲートの使用)

これらの2点を克服できるように調整を進めていくことにしました。

ポケ実CS優勝ロストカイオーガ【デッキコード】xK8JK8-cJOKuR-x8G8c8

 ポケ実CSにて、イタガキタクト選手が使用していたロストカイオーガです。特徴としては、ジガルデとライコウVの採用についてです。当時はまだ空の封印石が出ていないため、ルギアVstarをワンパンできるアタッカーとしてのライコウV、ムーランドVを弱点で処理するためのジガルデ採用であったと思われます。キャプチャーエネの採用もあり、必要に応じてポケモンを持ってきやすかったです。
 また、この時期はドガスが流行っていたわけではないものの、2エネでドガスを処理しやすいライコウVの採用は魅力的です。

CL京都Best4ロストカイオーガ【デッキコード】fkkbV1-tjzVSQ-dbfVkk

 CL京都にてBest4に入賞したミワハルキ選手が使っていたロストカイオーガです。ジガルデ+ライコウVのアプローチは変わりないものの、空の封印石(以下、空石)の登場で、ルギアVstar相手にサイドレースで優位に立ちやすいギミックを手に入れています。苦手なアルセウス軸のデッキも空石のおかげでサイドを取り切りやすくなりました。
 回した所感としては、やまびこホーンの採用でカイオーガで無理やりサイドを取りにいくプランや、ベンチを埋めることでマナフィを置かせないようなプランがとれ、カイオーガを強く通すデッキという印象でした。ヤレユータンやガラルジグザグマの採用から、マリィケアや足りない打点を補うことができます。一方で、枠の都合上ウッウとヤミラミが1枚ずつの採用となっており、ヒスイのヘビーボールやミラージュゲートの価値が高いリストでした。
 課題点①については、ルギア側にノコッチが採用されていることでジガルデでムーランドVを処理できない点、サイド差がないとジガルデの打点が出ないことから汎用性に欠ける点が悩みポイントでした。
 課題点②については、ライコウVかジガルデを起動させることで、突破が可能になるものの、雷と闘どちらも2枚しかないため、手張りで育てるハードルはやや高いと考えました。ライコウVというアプローチは手張り2回で良いため、ドガスを処理しやすかったです。あなぬけのヒモ3枚とボスの指令を採用することでドガスを退かしやすくなっていました。

ONC式ロストカイオーガ【デッキコード】VvkkFd-g8KlTC-kVFfkv

 ヤマグチヨシユキ選手がCL横浜にて使用したロストカイオーガになります。余計なカードが採用されておらず、シンプルかつ安定してロストを溜めつつ、デッキを掘っていけるリストだと感じました。
 YoutubeのCL京都振り返り配信にて、キュワワースタート安定のための現物少なめ、ヒスイのヘビーボール2枚目の採用を聞いて腑に落ちました。霧の水晶2枚採用によるキュワワー出しやヤミラミへの手張りエネ確保、マリィ後の山混ぜ等、地味ながらも役割が結構ありました。キャプチャーエネはザマゼンタと相性が悪いものの、従来のロストカイオーガよりも2ターン目以降にポケモンをサーチする手段が少ないため、クイックボールの価値が高いです。
 課題点①については、ザマゼンタの採用によって耐久を上げられない限りはムーランドを突破できます。鋼エネ2枚という要求はあるものの、ジガルデよりも汎用性高めのアタッカーでダメージラインも220と優秀なため、気に入りました。
 課題点②については、おそらくですが有効なアプローチがないため厳しいです。あなぬけのヒモ3枚で早期に特性ロックを解除するか、爆速でロストを7枚溜めてミラージュゲート使用しない限りは勝てなさそうです。また、ドガスをワンパンできるアタッカーがいないので7枚ロスト送っても誰に加速するかはかなり悩みます。場持ちの良いザマゼンタかな。

雷鋼寄せロストカイオーガ【デッキコード】888J8a-bQXm91-cc88xx

 課題点①と課題点②について最も気に入ったアプローチである、ライコウVとザマゼンタを入れて組んでみました。リスト上のみで話せば、どちらも解決できているリストとなります。
 ONC式ロストカイオーガと比較して、リソース管理が難しく、安定感がやや失われた分、器用さが生まれたという印象でした。超エネと水エネがギリギリの採用枚数であり、ロストカイオーガとしての動きを達成できなくなることもありました。 
 コオリッポについては、CL京都にてレジが優勝したことから流行する可能性があったため、採用してみました。あまり要らなかったです。ウッウ2枚目の採用については、ふつうの釣り竿1枚採用ということもあり、現物を2枚にしてヒスボも1枚に減らしました。
 課題点①については特に問題なく、ムーランドVにつくおまもりはロストスイーパーで剥がすし、スターオーダー使った後にスイーパーで空石ロストすると2枚溜められるというドヤ顔プレイができます。
 課題点②については、ライコウVにつける雷エネが2枚採用では厳しいと感じていました。ライコウVはいても雷エネに触れないことが多かったです。カイオーガギミックの安定感を欠いてまでドガス対策すべきなのか、ザマゼンタ以外のアプローチを模索して雷エネの採用枚数を増やそうと考えました。

雷寄せロストカイオーガ【デッキコード】xcDD8J-5tuhfJ-8Y88c8

 課題点①のザマゼンタでのアプローチは基本鋼を多めに入れなければならないことがネックでした。そこで、こだわりベルト+カビゴンに変えることで、基本雷エネの枚数を増やしやすくしました。また、キャプチャーエネの復活により、初動の安定感が上がりました。
 ただ、課題点①はこだわりベルトを確定でサーチできず、再現性が極端に低いためムーランドVを返しにくくなりました。課題点②については、ドガスを処理しやすくなった感覚はありました。ただ、基本エネの総数が11枚になったため、エネルギー管理が相当厳しくなりました。カイオーガギミックの安定感を欠いてまでドガス対策をする必要があるのか、雷エネをこれ以上増やすにもライコウV1枚のためにそこまで枠を割くのか疑問が生まれました。

 ドガスを対策するためには、カイオーガギミックを犠牲にしなければならず、ドガス以外の対面の勝率を落としてしまうということになります。安定感とパワーを落とさず、直面する可能性の高い課題点①の再現性を高め、ドガス対策はできる範囲で行うという結論にたどり着き、ONC式ロストカイオーガを数枚差し替えたリストにたどり着きました。
ドガス以外に全部勝てば予選は抜けられる!!と割り切るほかありませんでした(笑)

採用カードについて

【デッキコード】1kFkVf-57HpTa-kVkfkk

シティリーグ当日に使った60枚のカードについて、特に採用の是非に悩んだカードを解説します。

○ザマゼンタ(かたきうち) 1枚
カビゴンと2枚目の枠を争いましたが、後述するヒスボ2枚目の採用に伴って1枚で足りると判断しました。スタートがあまり強くなかったり、ドガス対面で場持ちは良いものの、ミラージュゲートが使えても有効なアタッカーにはならないためです。
 220が安定して出るのでムーランドV対策はザマゼンタで決まりです。後述するガラルジグザグマと組み合わせることで、おおきなお守りがついても突破する手段があるためオススメです。

○カビゴン(どっすんグースカ) 1枚
ザマゼンタ2枚目との選択となりました。ザマゼンタと比較してエネルギーの縛りがなく起動しやすい点と、常時180出せることからおとぼけスピットと合わせてVstarやVMAXを相手するために採用しました。
 また、3ターンかかるとはいえ、手張りで育てやすく、ドガスをワンパンできるため、ドガス単構築であれば有効に使えると判断しました。それでも気休め程度ではありますが・・・(笑)

○ガラルジグザグマ(かんしゃくヘッド) 1枚
あまりロストミラーに慣れていなかったこともあり、採用するだけで上手い相手にも捲るプランを増やせるため採用しました。かんしゃくヘッド+ロストマインで使うことが多いです。
 レジバレット対面については、おとぼけスピットでワンパンできないため、ジグザグマを絡めたり、月光手裏剣+ロストマインで複数取りを狙うことで相手が動けないターンを作れると勝ちやすいです。

○ヒスイのヘビーボール 2枚
初動を安定させるために現物を減らしている都合上、持つ役割がかなり大きいため2枚目を採用しました。マナフィやザマゼンタなど、必要な対面でサイド落ちすると困るカードを救出してくれます。
 また、ロストギミックのデッキはサイド落ち確認が重要なため、手軽に確認できるという点も自分の頭に優しく魅力的です。終盤にツツジケアで消費できるカードとしても地味に嬉しかったりします。

○あなぬけのヒモ 3枚
ドガスのことだけ考えるならば、本当は4枚入れたいのですが、裏目も含めて考えると難しいカードです。いれかえカートの方がほしい時もあるし、入れ替え札の配分は、どの対面を意識するかで変わると思います。今回は折衷案として3枚に落ち着きました。

○霧の水晶 1枚
キュワワーやヤミラミをノーコストでサーチできる上に基本超エネも持ってこれます。また、このデッキは2ターン目以降はクイックボール、ミラージュゲート、キバナでしかデッキの中身を確認したり、混ぜることができません。マリィでアクロマの実験やミラージュゲートをボトムに送られると再び触りにくくなるため、デッキを混ぜる上でも重宝しました。

○キバナ 1枚
 ツツジと採用を迷ったサポートカードです。ロストカイオーガって捲りのデッキというイメージが強いことからツツジを採用するのは妥当なのですが、ザマゼンタやカビゴン、釣り竿2枚を採用していることから、実はカイオーガ使わなくてもサイドを取り切れるパワーを持っていたりします。当日は、9ゲーム中3回しかカイオーガを動かしていません。
 また、ネオラントVを採用していないため、使えるタイミングがサイド3枚からのツツジよりもほぼ毎ターン使えるであろうキバナの方が有効に使いやすいと考えて採用しました。ザマゼンタの鋼エネを供給する役割も担います。
 また、世間で多く使われているロストライコウにはキバナが採用されていることから、カイオーガを意識させにくいカードだった可能性があります。意図せず、デッキの中身を隠す役割も果たしていたのかもしれません。

○ボスの指令 1枚
ツツジと採用を迷ったカードその2です。キバナとやや似た理由になりますが、ザマゼンタやカビゴンでサイド2枚を強引に獲得するために採用しました。ルギア対面で序盤にボスでマナフィをおとぼけスピットできるとかなりゲーム展開が楽になります。
 また、ドガス対面で引けたらラッキーなカードであるため、有効札の1枚として重宝しました。当日は1回も引けませんでしたがね。ツツジ+ロストマインでニチャニチャしたい衝動に駆られましたが、我慢しました、偉い。

さいごに

 ここまでお付き合いくださり、ありがとうございました。
 デッキの中身がバレにくいのが、ロストギミックの最大の強さであると感じさせられました。もっと早く使っていれば良かったです。

今回は各対面の立ち回りについて記載しませんでした。ロストカイオーガのnoteは世間に溢れているので、そちらを参考にするのが手っ取り早いです。もし、追記の要望がございましたら書きますのでDMください。

 ややスランプ気味な時期でしたが、こうやって一定の結果を出せたことはとても嬉しく思います。朝活に付き合ってくれた調整メンバーや、カードショップmeroで遊んでくれる皆様のおかげだと思っています。改めて本当にありがとうございます。

 来年から無事に社会人になれそうですが、山梨県を離れて栃木県での活動となりそうです。限られた時間でどれくらい結果を追求できるか、楽しみである反面、もう学生の特権である練習時間の暴力には頼れないと思うと不安もあります(笑)

それでは今回はこの辺で失礼させていただきます。
良きポケカライフをお送りください。