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わたしの住んだ街のこと

15年住んだ街に久しぶりに来ました。

第2の故郷。
緑が豊かで、空気が綺麗で、川の水が澄み、人々が優しい街。

あまりにもここに一生住むものだと思っていたので、首都圏への転勤が決まったときには正直悩みました。

実家があるわけではない。
けれども、この街で過ごした想い出は、実家で過ごした18年間をとっくに上回ってしまっていたのです。

首都圏に住むことになったとき、人々の多さと、水の汚さと、多くの飲食店から流れ出る空気に

ああ、私はここに長くは住めない

と、思ったのでした。

あれから5年。

すっかり今の場所に慣れてしまって、この場所も悪くないと思えるようになりました。

そんなあっさりと他の土地に馴染んでしまった自分。
第2の故郷に対して、少しだけ罪悪感を抱いていました。

久しぶりに訪れた、何度も通った喫茶店。

珈琲の香り。
アンティークな照明。
店内に流れるJAZZ。

ああ。ここが好きだなー、と。

これから元同僚たちとご飯を食べに行きます。

パワハラもセクハラも当たり前だった時代に、20代をささげ、苦楽を共にした仲間。

毎晩遅くまで、時には、夜中の2時、3時までプロジェクトの立ち上げのために必死で働いた日々。

あの日々や、その時の先輩方からもらった愛のある厳しさが今の私を作ってくれているのだと思います。

これから先の未来は分からないけれど、きっと私は一生、この街と、この街に住む仲間たちに会いくるだろうと思います。


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