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1.5(イッテンゴ)
2020年6月6日 23:43
「それをくれ」 露店を出していると声がかかった。 昏い眼の男が指差す先には大きく頑丈そうな錠前が。「鍵は要らない」 男は代金を支払い去って行った。「さてはて」 気になる客だが、詮索は野暮ってもんだ… 残された鍵を玩びながら結論する。 と、後ろから袖を引かれた。 物言いたげな子供がじっとこちらを見上げている。 夕闇が迫る中、男が出て来るのを待って分け入った竹林の奥に土蔵を見つけた