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【五つ目の扉で死んだ伯父に会う】 《極私的短編小説集》

 扉を分け入ると、そこは病室だった。
 伯父が寝ている。
 いつも寡黙で、話し出すと戦争についての恨みつらみしか話さない。 
 そうだ、この伯父も先日亡くなったのだった。
 伯父は不満そうな顔で暗い窓の外を睨んでいる。

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