連載小説【夢幻世界へ】 4−3 賽子
【4−3】
瞬間Mは、隣の部屋に飛び込んだ。ガラス窓をぶち破り、転げ回るようにして、テーブルの下に潜り込む。
小銃が火を吹く。撃ち尽くして彼女は機関銃を取り出す。
「よく俺の正体がわかったな。貴様は何者だ」
「それはこっちのセリフよ。貴方はどこから、誰の命令でここに来た?」
「それは野暮な質問だ。大体想像通りだろうが、俺は口は割らないぜ。ジャパニーズポリスウーマンよ」
機関銃が吠え、壁が轟音とともに崩れ落ちる。
「まったく、素晴らしい構想力だ。なんとかそれの鍵を見つけて持ち帰りたかったのだが、今回は分が悪そうだな」
「偽造データでパスしたってわけね。検索したら貴方に該当する人物はこの国には見当たらないわ。外人さん」
「まあ、そんなところだ、じゃあ、あばよ」
Mの身体が消滅を始める。この世界から出ていこうとしている。
「テTEルMEミナNa!」
白銀の鎖が現出し、Mの身体に巻き付く。消滅が止まり、Mが苦しげに現れる。
「な、何をした!」
「追跡コードを放っておいたの。あなたの現実の居場所をサーチして、そこからの思念を確保したわ。CIAのコード93、アブラハム・ミスティさん」
「苦楚!」
「あら、日本語がお上手ね。ちなみに私は民間人よ。みんなは私を22と呼ぶわ。可愛そうだけど、このまま、賽子になってもらうわよ。続きは、監獄で」
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