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読書ノート 「言葉の力 ヴァイツゼッカー演説集」 ヴァイツゼッカー 永井清彦編訳
岡山に住んでいた頃、本屋で立ち読みし、そのうち読みたいなあと思っていた本。元ドイツ大統領のヴァイツゼッカーが、在任中演説したものをまとめて本にしている。「その格調高い演説で国の内外に感銘を与えた」これらには、政治家の金属疲労・小粒化・矮小化が叫ばれる日本の我々が、参考にすべき矜持がこもっている。
「ヒトラーはいつも、偏見と敵意と憎悪とを掻きたてつづけることに腐心しておりました」
「道徳に究極の完成はありません─いかなる人間にとっても、また、いかなる土地においてもそうであります。われわれは人間として学んでまいりました。これからも人間として危険にさらされ続けるでありましょう。しかし、われわれにはこうした危険を繰り返し乗り越えていくだけの力がそなわっております」
「人間の罪には、露見したものもあれば隠しおおせたものもあります。告白した罪もあれば否認し通した罪もあります。充分に自覚してあの時代を生きてきた方々、その人達の今日、一人ひとり自分がどう関わり合っていたかを静かに自問していただきたいのであります」
「問題は過去を克服することではありません。さようなことができるわけはありません。後になって過去を変えたり、起こらなかったことにするわけにはまいりません。しかし過去に目を閉ざす者は結局のところ現在にも盲目になります。非人間的な行為を心に刻もうとしない者は、またそうした危険に陥りやすいのです」
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