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【九つ目の扉で、彼女に会う】 《極私的短編小説集》

 中学校の教室に来る。前から二列めの席に私は座っている。隣は彼女だ。まだ会話をしたことがない。ショートカットの綺麗な髪にクリクリとして澄んだ瞳は、いつもいたずらっぽく光っている。女友達と笑いながら話す表情は天使だ、などといつも考えていた。

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