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読書ノート 「ギーゲリッヒ 夢セミナー」 ヴォルフガング・ギーゲリッヒ 河合俊雄 田中康裕

  本書は、京都大学が組織的な大学院教育改革推進プログラム(大学院プログラムGP) の支援を受け、平成20年3月14‐16日にかけてミュンヘンで行われた、ギーゲリッヒとのセミナーの一部始終である。指導教官として、河合俊雄、田中康裕、竹中菜苗、畑中千紘。

 ギーゲリッヒはヒルマンによる元型的心理学の流れをくみつつ、テクノロジーや核兵器についての論考をエラノス会議で発表。ハイデガーの存在論の影響を受け、人間の次元と魂の次元を区別して、魂の次元で心理学を進めようという方向性が強かった。自然・動物・聖なるものの力をキリスト教一神教的中心化で固め、その延長線上に核兵器というエネルギーの凝縮したものがあるという考え方である。その後はヘーゲルの研究を通じ、より弁証法的で動きとしての魂を捉える方向で思索を展開している。 

 

 読めていないので、断片(フラグメント)を「落とし文」する。


 夢、絵画、箱庭、アクティブイマジネーションなどの、言語だけに頼らない心理療法。ユングはその中でも夢を重要な療法と位置づける。

 近代的な心性と前近代的な心性


 主体の変化を夢で追う


 夢の中に入って内側から見る


 夢の中の個々のイメージを丹念に追いかけていく


 拡充だけでなく収斂も


 セラピストの主観がどう関与するか 転移と逆転移の関係を見つめる


 形式の崩れ ユングの「赤の書」のように、内容的には奇妙でも、構造的に崩れていないものは、まったく精神病的ではない


 ハイデガー「存在論的差異」 「存在」と「存在するもの」を区別


 最初は夢の具体的内容として現れてくる形で夢の中に入っていったセラピストは、訓練とともに、個々の具体的なイメージではなくて、イメージが現れてくる場所となるように夢に入ることが可能となるのではなかろうか。それこそが夢への内在的アプローチの目標となるのかもしれない(河合俊雄)。



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