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井筒俊彦についての読書ノート!

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井筒俊彦の思想に触れたい!と言う人のためのマガジン。何かしらのヒントになれば幸いです。
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#存在

読書ノート 「井筒俊彦 起源の哲学」 安藤礼二

 この本は井筒俊彦の現段階における最新の思想概説を提示してくれる。英文著作を含めた井筒のエクリチュール全体を概観することが安藤礼二によってやっと可能になった。安藤が書いているように、2000年代初頭においては井筒の著作の全体像は一般には掴みきれない状況であった。若松英輔の仕事や河出書房新社の特集本を機に、井筒俊彦が広く関心を持たれるようになったのはここ最近のことである。ここでは私が初見であったり、重要であると思った部分を取り出していく。これ一冊で井筒俊彦の全体像が朧げながら見

読書ノート 「存在の概念と実在性」 井筒俊彦

 四つの論文が収録されている。 「イスラームにおける形而上学的思考の基本構造」 「東西の存在主義」 「ワフダト・ウジュートの分析」 「サブザワーリー形而上学の根本構造」  出てくる哲学者はイブン・アラビー、イブン・スィーナー、トマス・アクィナス、イブン・ルシュド。  出てくるキータームは「存在」「存在は一である」「偶有」など。 「その机は存在する状態にある」のではなく「その存在は机の状態である」 「存在そのものになることが自己実現である」ムッラー・サドラー。 ハイダル

読書ノート 「超越のことば」 井筒俊彦

 5つの論文が掲載されており、そのうちのひとつは、岩波新書で独立して書籍化された「存在と意識の真相 ーイスラーム哲学の原像ー」である。  他の4つを中心に読む。  

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読書ノート 「東洋哲学覚書 意識の形而上学 『大乗起信論』の哲学」① 井筒俊彦

目次 第一部 存在論的視座 Ⅰ 序 Ⅱ 双面的思惟形態 Ⅲ 「真如」という仮名 Ⅳ  言語的意味分節・存在分節 Ⅴ 「真如」の二重構造 第二部 存在論から意識論へ  Ⅵ 唯「心」論的存在論 Ⅶ 「意識」(=「心」)の間文化的意味論性 Ⅷ 「心真如」・「心生滅」 Ⅸ 現象顕現的境位における「真如」と「心」 Ⅹ 現象的世界の存在論的価値づけ Ⅺ 「空」と「不空」 Ⅻ 「アラヤ識」 第三部 実存意識機能の内的メカニズム XIII 「覚」と「不覚」 XIV 「不覚」の構造 ⅩⅤ

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読書ノート 「神秘哲学 ギリシアの部」 井筒俊彦

序 文 第一部 ギリシア神秘哲学 第一章 ソクラテス以前の神秘哲学  (1)ディオニュソス神  (2)クセノファネス Xenophanēs  (3)ヘラクレイトス Hērakleitos  (4)パルメニデス Parmenidēs 第二章 プラトンの神秘哲学  (1)序  (2)洞窟の譬喩  (3)弁証法の道  (4)イデア観照  (5)愛(エロース)の道  (6)死の道 第三章 アリストテレスの神秘哲学  (1)アリストテレスの神秘主義  (2)イデア的神秘主義の否定  (

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読書ノート 「コスモスとアンチコスモス」 井筒俊彦

 ここでは、「事事無礙・理理無礙ー存在解体のあと」について記載する。

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世界を、構築する、構築したものを描写する。⑤コスモスとアンチコスモス 井筒俊彦

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読書ノート 「読むと書く 井筒俊彦エッセイ集」 井筒俊彦

 『井筒俊彦全集』未収録のエッセイ集。   ここには例えば、   ラカンの心理学は「無意識はコトバである」という基本テーゼが示すように、著しく言語関与的であり、その上、元来ソシュールの言語理論を継承し展開させたといわれる彼の立場は、この点では、むしろ唯識哲学の中核をなす「言語アラヤ識」論の系統に属すといっても過言ではないほど東洋的 など、琴線に触れるフレーズがいっぱい。   読むべきなのは第二章「言葉とコトバ」にある「東洋思想」「意味論序説―『民話の思想』の解説をかねて」

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読書ノート 「岩波講座 東洋思想第二巻 ユダヤ思想2」 

 井筒俊彦の「中世ユダヤ哲学史」中心に読む。  序  1 中世ユダヤ哲学前史  2 サアディアー・ベン・ヨーセーフ  3 イブン・ガビーロール  4 バヒヤー・イブン・パクーダー  5 イェフーダー・ハレービー  6 イブン・ツァッディークとイブン・ダーウード  7 マイモニデーズ  8 ハスダイ・クレスカス  おお、誰一人知らん。流石、井筒俊彦。

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読書ノート 「存在認識の道」 モッラー・サドラー 井筒俊彦 訳

 『井筒俊彦監修 イスラーム古典叢書』のうちの一巻。他に『ルーミー語録』『顕照哲学』『イスラーム法理論序説』など。1978年第1刷版。  50ページに及ぶ、井筒俊彦の解説が大事なので、そこから読む。  巻頭、井筒の吐露から始まる。イスラーム哲学史の研究の進展を喜ぶとともに、いままでの迷妄した研究に苦言を呈している。西洋中心世界のなか、イスラーム哲学は不当に歪められて認識されてきた。1970年以降、この分野の研究は井筒やアンリ・コルバンの尽力により、その世界的重要性が認めら

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