いかりの3月10日

午前9時。普段ならもう30分くらい二度寝するところだけど、今日は排水管清掃の人が午前中に来る。起き抜けに来られても困るから、起きた。

少しやることやって、普段なら朝兼昼めしを食べるとこだけど、今日は排水管清掃の人が午前中に来る。食べてる間に来られても困るから、少し待とう。

午後2時。さすがに何かおかしい。管理人室を訪ねて見ると、「え、来てない?午前中出かけてたんじゃないですか?」ってな感じ。いや、ずっと待ってたんですけど…って言ったら、すぐ行くように話をしてくれるとのこと。なぜうちの部屋だけ飛ばされたんだ。

すぐに業者の人が部屋に来たものの、1時間後くらいに来られるとのこと。2時間以上遅れてんだから、もうなんでもいい。1時間あるなら昼ごはんは食べられるな、ついに。

30分くらいで準備した昼ごはんを食べ始めた瞬間、インターホンが鳴った。「すいませんねえ、午前中に来られなくて」という業者のおにいさんに、ああ、はぁ…と返した。

ああ、はぁ…じゃねえのよ。

午前中に行くって約束を予告なしで2時間以上ぶっちぎられて、ついに取り付けた1時間後って約束をなぜか前倒しされて、ようやく食べられると思った昼飯に見事にカットインされて、2時過ぎに家出れば観に行けるなって思ってた映画もあきらめて、ああ、はぁ…ってことはないだろう。我ながら怒るの下手すぎる。マスクを着けて、なぜか正座して、食べかけのおにぎりと、冷めていくスープをぼおっと見ながら、作業が終わるのを待った。

作業終了を確認する書類にサインして、どうもって、ぺこぺこ会釈して見送った。玄関のドアが閉まって、怒りの受付窓口の営業も終了した。

じゃあ、業者のおにいさんに怒りをぶちまけてたらよかったのか。それも違う気がする。怒鳴った後にすっきりした顔で去っていくおじさんとか見たことないし。でも、こうなるともう、来年からは日程表を信じられないってことになるわけで、それはそれで問題だ。管理人さんに話したほうがいいんだろうか。排水管の清掃に午前すべてと午後の一部をタダで喜んで捧げる人がいたとしたら、それはもう排水管清掃のファンの人ですよ、と。タモリ倶楽部とかに出てくる人ですよ、と。

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