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「詩」晩春

ふざけあって、泣き笑いして
不自由、なんて思うヒマもないほどに
瞬きする一瞬が
僕らの今の全てだった

桜乱れて

小さな講堂で旅立ちの時だと歌う声
背中を押され、
泣けるわけもなく
立ち尽くしていた坂道は

桜乱れて

君は何処にいるのだろう
笑った昨日は行方知らず
自由の鍵を握り締め
扉を閉ざし髪を結う

やがて桜は散り、晩春
戻れぬ時を知りすぎて雨

2012.04


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