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十九のおもいー初恋

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#小説

19. キイル

満ちた感情もやがては干上がり そして つぎはもう少しきれいなもので 入れかわり満たされて …

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18. ハイライト

講義中の廊下 足音消して 息を殺して っていうの そんなの気にしないとばかりに ずんずん歩…

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17. さよならと言えるとき

そう本気でおもえるまでに どれだけの日をすごしただろう 若気のいたりで入れたと後悔してい…

16. 割れても末に、なんてね‥

懐かしい声の主   何を話しているの? よく聴こえない いや、聴きたくない だけど、にげたく…

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15. たまねぎ

何か ことば 聞くたび 傷つけられていった近い過去 一人だけの時間がふえた今 勘違い してた…

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14. さいかつ

ただ待った 経過を こごえる水の中 さしのべられる小さな白さを 誰の目にも つくことなく じ…

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13. とじていくひかり

『なにを思ってるかなんて知らない』 そんな らしくない挑発的な言葉 で 素直、抵抗しなかったんだから って きっとおなじこと、思ってたんだ って そう信じた 身を乗り出す もう一度 もういちど 木々が 雲が 月あかりを遮っていて 君を あのときとはちがう気持ちで、力で いつもの黒髪 ほのかな香り 夜空にはじける 「離したくない」 気持ちが ことばが この夜も気持ちも時間も すべての憂いを飛び越えること 願って その願いを力任せに叶えるため 君のいたみなんて考えも

12. 落日

真実をきくのはこわい それが真実と知るのがこわいから 真実と知りながら真実をきくのはつらい…

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11. 初恋は

賑わい 人影を あの沖より もっと先へ 十二月の波がさらった海 厚手のコート 冷たい空気 袖膨…

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10. 手紙

近づくかけあし ふいに叩かれた肩   萌黄色の封筒を だまっておしつけて そのまま かけていっ…

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9. Noviembre amargo

そう、それは   灯台の眩しさを直視できないでいる僕と 灯台から暗い海を眺めている君と そん…

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8. 小旅行

行き先 乗り換え 時刻表 ぬかりないね 手をつなぐ あたたかい すこしあせばむ 秋の陽気 …

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7. いつかなくす恋、灯るあかり

待ち合わせた地下街のはじっこ まだあどけなさをその瞳に残し タクシーが列なす目抜き通り 散…

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6. アクリルの世界

空に架かる居並ぶ大球 水面下でたくわえた力でつぎつぎアタック 水しぶき跳ねる 場内は和やかにどよめく メインプールの脇 冗談まじりに手をのばせば 愛想ある一匹が 口先で軽くタッチ 今日はまだ 手をつなげていない こっそりはぐれて ショーの終わり 人の群れが去り 静けさ取り戻したガラス張りの 踊り場 差し込む夕日 重なる影 これまでとこれから どちらも停止した 黄金色の五時半過ぎ 今日はいつもよりも長くいられる日