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10ステップでいつでも相手の目線になれる①

こんにちは。「あのね」から相手とつながることばを発掘することば塾舎anoneです。

「相手の気持ちになって考えなさい」
これ、小さいころから言われ続けてきませんでしたか?
私すっごく言われてきた〜!

一緒に遊びたくて、お友達の持っているぬいぐるみを抱き寄せた時。
お友達のお母さんに「あっこちゃん、相手の気持ちになって考えて」そう言われて、思ったんです。「ああ、〈私のこと嫌い〉って知らせたいんだな」って……

この場合はもしかしたらそうだったかも!笑
これって、本当はいろんな気持ちの背景を想像するべきチャンス。だけれど、心のうつわが未熟なうちは、「良い/悪い」「好き/嫌い」みたいに大雑把な感情だけ受け取ってしまうのね。そうするとそして、本当の意味で「相手の気持ちを考える」という成長のステップをのぼれないのです。

今働いている「Telacoya旅する小学校」でも、
先生から子どもたちへ、よくこういう「相手の気持ちになったら…」という声かけがされます。
その時
①声をかける側のことば選び ②言われた側の心の動き
をじっくり観察していると、「本当に相手の目線に立つためのステップ」が見えてきました。今日はこのステップについてお話ししていきます。

■「相手の気持ちになる」プロセスをステップ化する目的

相手の気持ちになるステップをプロセス化する目的はたった一つ。
「いつでも誰にでも、〈相手の気持ちになる〉モードで接するため」です。

余裕があれば、人は人に優しくしたいいきものだって私は思っています。
余裕がないから、自分でいっぱいいっぱいになって、相手のほうへ心を向けられない。割くことなんかもっとできない。
その余裕を作るのが、「1、2、3、…」とプロセスをつくって、いつも通りの手順で「相手の気持ちになる」ステップです。

車の免許教習のことを思い出してください。
初めは、エンジンをかけるのにも「1、ブレーキを踏む… 次に、キーを回す… エンジンがついたらサイドブレーキを下ろす… で、シフトをDに入れて…」って、順に確認していませんでしたか? とっても安全運転!🚗
それが、乗り慣れたころには手順を考えることなく車をスタートさせられるようになっている。で、何かのトラブルで車がスタートしない!なんてなった時にはまた、「1、ブレーキを踏む…」と手順を確認しながらトラブルを解決したりもする。

心のコントロールも同じです。
相手の気持ちになる方法に、まだ慣れていない時。
相手の気持ちになりたいのになりづらい、心がトラブルの時。
ステップ通りに手順を踏んで、〈相手の気持ちになる〉のです。

■ステップ1・2・ 自分の観察と分析のステップ

▶︎ステップ1:自分の行動を認識する
 自分が何を今しているのか、理解します。
 「私はしゃがみこんでいる」「私はイライラしている」「私の手は冷たい」など。
 意外と、めっちゃ緊張している時とかパニックになっている時って、自分が何をしているのか、どんな状態なのかがわかっていない。
 まずは自分の行動を認識。

▶︎ステップ2:自分の行動の動機を分析する
 自分の行動はただの「事実」です。
 行動という事実の奥には、その理由・動機が存在します。
 「なぜ自分がこの行動をとっているのか?」自分に問いかけて自分の行動や状態の理由を自分の中から探りましょう。

 ステップ1:私はしゃがみこんでいる
→ステップ2:元気が出ないから

 ステップ1:私はイライラしている
→ステップ2:料理に失敗したから

できるだけシンプルに、自分の中にある心をことばにして自分で認識できるようにします。

■ステップ3 相手の行動を認識する

▶︎相手の行動を認識する
自分の行動とその気持ちを認識したら、次は相手です。
まず、相手がどんな行動をしているのかはっきり理解しましょう。

「Sさんが大きな声で話している」「Aが〈無理しないで〉と私に話しかけている」「Kさんの声の調子が低い」などです。

ここでのポイントは、相手の行動を純粋に認識すること。
「純粋に」というのは、事実そのものを見て、聞いて、その通りに理解するということです。
ここで陥りがちなのが、「事実に感情を混ぜて認識する」というミス。事実そのものではなく、自分の感情や感覚を通して認識すると、相手に対してアクションが起こせなくなります。たとえば、前に書いた例の「Sさんが大きな声で話している」に、「後ろめたい」という感情を混ぜたとしましょう。そうすると、純粋な事実は「Sさんが大きな声で話している」だけなのに、「Sさんは私の悪い行いに対して怒っている」といった誤った認識をしてしまいます。感情的な認識は、相手がもともと持っている気持ちや行動を捻じ曲げる、相手を大切にしない行為の一つ。
事実そのものを認識する。自分の感情を混ぜない。
相手が目の前にいるとついこのステップをすっ飛ばしてしまいがちです。けれど、感情的な認識を避けて相手の気持ちを大切にするためには、ステップ3を丁寧に歩む事が必要です。

おおよそ、このステップ3ができるようになるのが小学1・2年生くらいの時期です。周囲に家族以外の他者がいて、自分と他者が別の行動を選ぶ経験をして一定の期間が経ったころ。年齢で区切るのも難なのですけれど、そのくらいの社会的経験値の時期にステップ3…他者への目配りができるようになってきます。

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