見出し画像

流れていく雲に手を伸ばそうが届かない

靉靆を眺めるばかりの
窓際の一輪の野花は

花弁を落とす

水をやる。

花弁を落とす。

薬をやる。

花弁を落とす

小さな灯火が最後に燃え盛るような八月某日

そこには散った花々の上に
蜉蝣がいた

いいなと思ったら応援しよう!