見出し画像

カオスの中で見つけた大切なこと

インドってどんな国だった?


よく聞かれるけど、本当に自分でも言葉に表せられない。何という言葉でまとめれば良いのか、相応しい言葉が見つからない。
ひねり絞った結果、1番近いのは「カオス」だ。

デリーの空港に着くまでは新しい出会いとか、発見とかそんなものに胸を膨らませていた。
でもそんな気持ち一瞬で吹き飛んだ。
ニューデリーの中心部までリクシャーで移動中、自分が見たのは、衝撃的な世界だった。
人の量、崩れかけの建物、道の舗装なんてなければ交通ルールなんてない。そんなことは東南アジアでもよくある風景で1番の驚きは空気の悪さと動物の量。牛、猿、野良犬、鳥。何もかもが入り混じる見たことのない景色だった。

街に溢れる人には、餓死寸前の老人が座っていたり、家のない子供達が物乞いをしてくる。

私たちはまず、今晩泊まる宿を探した。
どのゲストハウスもお湯なんて出ないし、虫だらけのベッド、鍵も閉まらないし、冷房もない。

楽しんでる余裕なんてなかったけど、この非常識な世界にビビリながらもワクワクしていた

その日のこと、私達は1番恐れていた事を知らされた。

明日、テロが起きる、と、

インドでは独立記念日にデリーなど中心部で高い確率でテロが起きると言われている。丁度私達はインドの独立記念日に出くわしてしまったのだ。しかも今いる場所は首都のデリー。

あの時の感情は未だに忘れられない。

人生で初めて死を覚悟した。

みんなで泣きながら話し合った。

日本にいた大切な人にも泣きながら電話した。
「ごめん、生きて帰れないかも」

話し合いの結果、翌日早朝の寝台列車で田舎の都市へ避難することになり、その後テロが起きたのかは謎のまま。何事も無いかのように旅を続けた。

日本の常識なんて通じない。
この国に生まれたってだけで、その後の運命が決まってしまう。

蛇口ひねれば綺麗な水が出ることも
1日3食あることも
普通に学校行けることも
生きてることも

何一つ当たり前ではない。
日本人は大切な何かを忘れている。