短篇小説 天に嘆く
生れ落ちた世界で天に嘆く毎日、喜びと悲しみ、輝く落日の夕景。季節は秋。私が終わるか?、この国が終わるか?、世界が終わるか?
順番も行方も誰も知らない世界で、いよいよ終わりに突き進む何かの予感
を感じながら、それでもなお美しい日々を送る人々がいた。そして私もその一人だった。
「ああ、もうだめだ!」
「また始まった」
「いつまで続くんだろう?」
「どうせ無駄だよ」
そう言ってあきらめてしまえば楽になれるのだろうけど、私はそんな言葉を口にする気にはなれなかった。終わりを迎えた世界の