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2024年度版 改正情報「労働基準法」

この資料は、令和6年度社会保険労務士試験向けのもので、令和5年6月20日現在の情報に基づく「労働基準法」に関する改正をまとめたものです。



1 労働条件の明示

(1)明示すべき労働条件(則5条1項)

――趣旨――――――――――――――――――――――――――――――

紛争の未然防止や解決促進のため、有期労働契約の更新上限の有無及びその内容について、また、労働契約関係の明確化のため、就業場所・業務の変更の範囲を労働基準法の労働条件明示事項に追加することとしました(令和6年4月1日施行)。

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条文

📝解説

労働基準法の「労働条件の明示」の規定に基づいて明示しなければならない労働条件に、「通算契約期間又は有期労働契約の更新回数の上限」並びに「就業の場所及び従事すべき業務の変更の範囲」を追加しました。

📖参考

「労働契約法第18条第1項に規定する通算契約期間」とは、同一の使用者との間で締結された2以上の有期労働契約(契約期間の始期の到来前のものを除きます)の契約期間を通算した期間をいいます。

📝 

条文中ⅰ)からⅳ)の事項を「絶対的明示事項」といい、「以下 略」と省略した事項を「相対的明示事項」といいます。

(2)無期転換申込権が発生する契約更新時の労働条件の明示(則5条5項・6項)

――趣旨――――――――――――――――――――――――――――――

令和4年3月にとりまとめられた「多様化する労働契約のルールに関する検討会」の報告書を踏まえ、労働政策審議会労働条件分科会において議論を行い、令和4年12月に「今後の労働契約法制及び労働時間法制の在り方について(報告)」(以下「分科会報告」といいます)が取りまとめられました。

分科会報告において、無期転換申込権が発生する契約更新時に、労働基準法15条の労働条件明示として、無期転換申込機会と無期転換後の労働条件について通知することを義務づけること等が適当とされたことを踏まえ、無期転換を希望する労働者の転換申込機会の確保の観点から、無期転換申込権が発生する契約更新時に、無期転換申込機会と無期転換後の労働条件について、労働基準法の労働条件明示の明示事項に追加することとし、この場合において、労働基準法の労働条件明示において書面で明示することとされているものは、無期転換後の労働条件明示にあたっても書面事項とすることとしました(令和6年4月1日施行)。

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