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横断「目的」7 「保険給付」「給付」

目的条文などにおいて「保険給付を行う」とか、「給付を行う」という語句を用いている法律があります。

🔵健康保険法
――条文――――――――――――――――――――――――――――――

この法律は、労働者又はその被扶養者の業務災害(労働者災害補償保険法(昭和22年法律第50号)第7条第1項第1号に規定する業務災害をいう。)以外の疾病、負傷若しくは死亡又は出産に関して保険給付を行い、もって国民の生活の安定と福祉の向上に寄与することを目的とする。

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🔵厚生年金保険法
――条文――――――――――――――――――――――――――――――

この法律は、労働者の老齢、障害又は死亡について保険給付を行い、労働者及びその遺族の生活の安定と福祉の向上に寄与することを目的とする。

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🔵国民年金法
――条文――――――――――――――――――――――――――――――

国民年金は、前条の目的を達成するため、国民の老齢、障害又は死亡に関して必要な給付を行うものとする。

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🔵国民健康保険法
――条文――――――――――――――――――――――――――――――

国民健康保険は、被保険者の疾病、負傷、出産又は死亡に関して必要な保険給付を行うものとする。

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健康保険法と厚生年金保険法では、単に「保険給付」としています。船員保険法でも「保険給付」としています。
国民年金法と国民健康保険法は、「目的」ではなく、第2条の規定ですが、「必要な給付」「必要な保険給付」としています。
労災保険法と雇用保険法でも「必要な保険給付」「必要な給付」としています。
必要な」が「ない」のは、その制度を外れてもそれを補うものがあるもの。「必要な」があるものは、代りがないものです。
例えば、健康保険を外れても国民健康保険があるけれど、国民健康保険を外れたら、その代わりとなる医療保険制度はありません。
そのため、健康保険法では「保険給付」、国民健康保険法では「必要な保険給付」としています。


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