小さなオオカミ男の罪と罰
田舎に住む少年が居た。
その少年は家族から愛されていた。
しかし、海辺にある公園で少年は友達の玩具を黙って家に持ち帰ってしまった。
盗んだのだ。
しかし、この少年はまだ幼く、盗んだという自覚がなかった。
その日の夜
少年の友達の母親から1本の電話がかかってきた。
玩具がなくなった話だった。
少年の母親は少年聞いた。
【〇〇君の玩具がなくなったんだって!何か知らない?】
少年は言った。
【知らない】
少年は初めて嘘をついた。
母親は息子を信じた。
その次の日の夜
母親が家から知らない玩具を見つけた。
友達の玩具だ。
母親は言った。
【嘘は泥棒の始まり!したことの重大さがわからない!?】
少年は母親に怒鳴られ泣いた。
そして、少年は罰を受けた。
殴られたわけでもなく、蹴られたわけでもない。
家の外に出されたのだ。
田舎の暗い夜、街灯一つない、様々な音がよく聞こえる。生き物の声、草が風で掠れる音。全てが少年にとって恐怖そのものだった。
頼れるのは、大きくて小さな月の光。
その日、少年は反省した。
こんな怖い思いは二度とごめんだと。
しかし、母親はやりすぎてしまった。
反省したのは盗んだことではない。
簡単に玩具が見つかってしまったことについてだった。
バレたらヤラれる。
少年の頭の中はそれだけだった。
恐怖で言うことを聞かせるのは簡単である。とくに【教育】という言葉は。
しかし、それだけでは正しい道へ歩ませるのは困難であると知って欲しい。
この少年はその後、どのような罪と罰を受けたのかは想像したくない。
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