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#10 不器用な男達は好きですか?

昔から不器用な男はカッコイイ。「自分、不器用ですから」と高倉健は言った。この映画に出てくる男たちは全員、不器用だ。他人との意思疎通が出来ないサイコパスの柴田と、何でも暴力で解決しようとする最凶ヤンキーの影山兄弟。決して高倉健のような硬派な不器用男ではないけれど、僕には彼らが愛おしく思えてしまう。

作品の内容は、かなりぶっ飛んでいる。京都の大学に通うサイコパスの柴田は、ヤンキー・影山兄弟の子分を拳銃で殺してしまう。それをキッカケに影山兄弟vs柴田の抗争が勃発する、という話。

残酷な描写が多くて、血も沢山でるんだけど、何故か終止笑えてしまう。ヤンキー達がタバコ1箱分を全部出し、輪ゴムでひとまとめにして一気に吸っていたりする。京都タワーを爆破したり。

殺されてしまった部下のために自作でお葬式を行うシーンは強烈だ。彼らのお葬式は、お坊さんを拉致するところから始まる。木魚の代わりにカスタネット、お経の節々に鳴らすあの「チーン…」と鳴らすリンはコンビニのレジ横に置いてある卓上ベル。彼らは真剣に部下の死を弔う。式の最後には皆で集合写真をセルフィーで撮る。もちろん死体となった部下も一緒。ほんとは、仲間思いの良い子達なんだよな。悪いことなんだけど、そこのには彼らなりの正義がある。まあ悪いことなんだけど。

一方のサイコパス柴田は、電車で見かけた女の子を一歩的に彼女だと言い張るし、家に侵入するし、警察官から拳銃を奪うし。こっちも色々とヤバイ。でもお母さんには強がって見せたり、影山兄弟に拉致された友達を助けようとする良いところもある。この人も悪いことしかしてないけど。

最初から最後までずっと非日常。
何も考えずに、何回でも見れます。

お気持ちだけでも飛び上がって喜びます