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番外編 MA Marathon Studies

~Story~
学部生だった頃は体重50後半で推移していたはずなのに、コロナ在宅期間を境に重くなり始め、1年足らずで70中盤に突入。お腹が出て着れるズボン、つけれるベルトも変わり、周りからかなりいじられる状態に。はじめは笑いに変えてたけど、だんだん腹立ってきてどっかのタイミングでガンと減らしたいなと思っていた。でも東京時代は無気力状態過ぎてたまに歩く程度、留学直前の実家期間も、年齢・立場上「あの子地元戻ってきて何してんの??」って目線が嫌すぎてあんま出歩けず、むしろ食事量が増えて太る始末。海外に長期でいるときは絶対体重は減ってきた経験から、このイギリス留学のタイミングしかないと思っていた。

9月中旬に住み始めてから、早速朝起きて走ってみる。野球の時、船の時、人生調子のいい時は不思議とランニング習慣があって友達と一緒に継続的に走れていた。短距離は特段早くなかったものの、長距離やシャトルランは何故か記録も良く、いい印象。でもいざ走ってみると最初は寮から駅までの1kmちょいですら完走できない。同時期にアルティメットの練習会に出たが、試合形式なんて到底体力的に無理で、攻守の切り替えについていけず所属は断念。もう食事量の調整だけにしてランニングはいっかなって思ってた矢先、たまたまクラスメートのことちゃんとその話になって、たまに一緒に走ること、10月末に10kの大会に出てみることを約束。大会にお金いるのにびっくりしたくらい知識ゼロだったけど、まぁそれでも基本お金かからない趣味やし、外国で走るってかっこええやんってことで本格的な練習スタート。でも2月にハーフマラソン、4月にフルマラソンもあるからステップ踏んで挑戦したいね~ってお誘いはその時は鼻で笑ってた。無理よ。そこまでガチならどっかで抜けるからね。

はじめはサセックストレイルの7kちょいを走る。2コースあるけどどっちも起伏が多くて雨の後は泥だらけ。牧場を突っ切ったりもするので靴はまあ汚れるが、晴れた秋のイングランドの田園風景はなかなか美しい。東京マラソンも走ったことのあることちゃんはペースのわかる時計やいろんなランニング道具も持ってて、1度も止まらず一定ペースでランニング。ついていくのに必死。一緒に走らない日も教えてもらった道を練習で走って、大会前にはようやく会話を楽しみながらとまらず走り切れるように。1週間あったこととか、考えてることとか、日本語で話す時間が作れて嬉しかった。もはやそのためのランニングだった。

~10月 Hove Prom 10k~
初めて出た大会、天候は強風かつ雨。普通に寒い。ゼッケンが事前に届かず当日受付。テントに荷物を押し込んでアップしてスタート。目標は1時間切り。クラスメイトのけんたさんも一緒に出たんだけど、スタートからぐーんと行ってて、折り返しとかで見つけてもずっと上位争い。なにこの人、後でじっくり話聞いてみよ。普段10kの距離は走れてないし、コンディションも悪いから余裕持ったペースで序盤のレースを進める。ことちゃんと並びながらも、自分たちと同じくらいのペースの人をペーサーとして進んでいく。5k通過は27分台。後半落ちなければ十分1時間切りは可能? と思ってた矢先、足裏が痛み始める。普段コンクリの上走ってないし、ランシューではないからなぁ。給水もあったけど、え、これどうやって飲むん?のどの中に水が入らんねんけど。シンプルに走る以外のいろんなテクニックが必要やねんな。でも中盤から雨もやんで、交互に風よけしながら順調に距離を刻む。完走はできると思えてきた。残り1キロ、だいぶ前にゴールしたであろうけんたさんが写真を撮って一緒に並走してくれる。走り終わって荷物もって動画取ってるのにわしらより早い。わりかし余力はあったので、最後結構人を抜かしてことちゃんと一緒にゴール。56分45秒。ペース上げたから最後は倒れこんだ。この地点では満足したたけど、後から見たら順位は370人中272番目。成人男性に限れば自分より遅い人は30人くらいしかいない。うーん。なんか悔しいな。練習期間短いとはいえ、スポーツでこんな下の順位に。。結果的にこの順位なのが次へのモチベーションになるわけだけど。その後3人でピザ屋で食事した。ランニングのこと、これまでの人生のことたくさん聞けた。

~冬 故障。~
その後はインスタに大会の写真上げたことをきっかけに違う人からもラン誘ってもらえるようになり、11月はダイエットしたいらしいブラジルのJoanaとよくランニング。彼女はまだまだいっぱい止まっちゃうけど、それでも2人でいっぱい話できてうれしい。過去の自分を見てるよう。走りはじめてからと言うもの、体が目に見えて絞れてきて体感5kg10kgは減ったんじゃないか?そんなころ2月のハーフマラソンの申し込みが始まって、まぁこのまま終わるのもダサいなってなって思い切って応募。35£たっか。1か月ことちゃんと走ってなかったけど、大会出るってなってから12月入って再度スピードラン開始。9日のパントの日は、ちょっといつもと違うコースで長い距離練習してみようってことでルイスまで遠征。大体往復で10マイル。とっても冷え込んだ日で、高速の真横で空気あんまよくなかったけど、知らない道を走っていく楽しさもあり、観光気分で楽しく走り終えた。が。パントの最中くらいからいつもに増して足が筋肉痛になり重たい。特に膝がおかしい。数日たっても痛みはひかず、階段の上り下りも痛い。やばいやん。ランナー膝?ジャンパー膝?いっぱい調べてみるけど当てはまる病名がなく、ちょうど冬休み期間に入って病院にもかかれない。急に距離走ったこと、久しぶりにスピード上げて走ったこと、寒かったのに準備体操甘かったこと、原因はいろいろ。とにかくことちゃんいわく膝は長引く、思い切って1か月ノーランくらいでって言われた言葉を信じて休憩。バークロやドイツ旅行の時も歩き回った日の膝は超傷んだ。

~新年。回復。急ピッチ調整。~
1月になって恐る恐る5kくらいから走ってみたけど、痛さはあるものの数時間で引く程度に。準備体操、フォームのYoutubeを見ながら再発防止に努め、短い距離を毎日走る。学期が始まった1月中盤からは朝8時スタジアム周りのコースに固定してペース走。食べ物や起床時間、タイム別でいろいろコンディションを実験しながら走る。まかないをラン後の朝食に回してからは差し込みも少なくなり、ペースをk/5分くらいにあげても膝の不安はなくなってきた。けんたさんからもいろいろアドバイスもらいながら練習を進める。体型がランナーらしくなってきたねって言われて嬉しい。体重は年末年始に測ったらまさかの50kg台に。え、3ヶ月で15kg近くやせた。2月に入ると土日にことちゃんとブライトン市内方面にロングランをするように。話しながらだとなぜか呼吸は乱れないから本番もいてほしいんだけど、ハーフは出ないみたい。え、誘われた側なんだけど?まあ今や自分のためだし1人でもやるよ。毎回ランニング後のいい観光写真撮ってインスタあげてたらすっかりランナーポジションに。でも大会前は1人でじっくり仕上げたいなぁ、連絡くれた人らごめんやで。ラスト1週間、なんか前傾姿勢で地面をけり出していく感覚をつかんで最後の最後絶好調に。k/4分半で押しても体的にも呼吸的にも問題ない。目標タイムは2時間にしたたけど、思い切って1時間45分のペーサーについてみようかなー。けんた先生曰く、出だし3kは我慢してペース作って、そこでも余裕に感じたら15kくらいまで自分のペースで押していいよとのこと。彼は何分くらいで走るんだろう。

~2月26日。ブライトンハーフ~
前日、ストーリーに応援メッセージ頂戴って調子乗っていってみたらめっちゃたくさんコメントもらえた。こんな陽キャ機能使える日が来るなんて。嬉しいなあ、でも絶対完走せなあかんなぁ。バイト先でも何か店あげて応援してくれてる?食事代貰えるし、まかない豪華だし、そんなすごいもんに出るんかおれは。親友のけいちゃんとよしがどっかで沿道いるよーっていってたけど、そんなん気づけるもんなんか?せめて笑顔で走っていたいが、後半はそうも言ってられんだろうな。本番、道路が7時半からブロックされるので早めに家出て2時間前に到着。かなり冷え込みがきつくて防寒具どうするか悩む、周りにランナーたちにアンケートして一応手袋はもっとくことに。入念にストレッチして、1:45-2:00グループの真ん中あたりでスタート。多少の筋肉痛は残っていたが、ジョグの感覚では体はとても軽く引き続き調子は良さそう。小雨も降ったがこの地点では日差しも出てきて、手袋はタイツの中へ。10kと比べると大会規模がまるで違う。道路の真ん中を走れるのはもちろん、ボランティアスタッフの数、1万人越えの参加者、トイレや荷物置き場、DJみたいなマイクパフォーマンス、沿道の声援と、何から何までしっかりしてる。序盤、一緒にスタートして話して仲良くなった人についていくが、この人結構飛ばす。マリーナのあたりで見失ったが、それまでに1:45のペーサーを抜かしてしまった。でも体も呼吸もOK。そのあとはちょうどいいペースでしかも目立つオレンジの服着てたおじさんをロックオンしてホーブの折り返しのところまで追走。ちなみにマリーナ付近で見かけたけんたさんはまた上位で爆走していた。

マリーナからOld Steineに戻ってくる緩やかな下りから、徐々に集団がばらけ始める。ここまでは抜かれることなくむしろ人を抜き続けてきた。道幅が狭くなって応援に人だかりも何十になるゾーンでもあり、ほんとに気分がいい。普段バスで通るSt Peters Churchや毎日歩くWest pierのゾーンはホームグラウンドのようで、表情にも余裕が出る。中間地点の通過が45分、ものすごく速いペース。給水地点でクラスメイトのMelaを発見。彼女から水をもらえたら最高だったが、取り逃す。でもしっかりお互い認識できて、声もかけてもらえて元気に。その直後ことちゃんとHarshaの姿も見れてリアクション。あ、意外と気づけるもんだ。ここまで順調に来ていたが10マイルを過ぎたあたりから足がきつくなり始める。距離的に未知の領域。オレンジマンを捨ててk/5分イーブンペースっぽい女の子2人組になんとかついていく。ホーブ折り返しの後は風も向かい風できつかった。i360やbrighton pierがずっと見えてるのになかなか近づいてこない。抜いたはずの人たちに抜かされ続ける苦悩の時間、この地点でペース上げれるランナーたちマジ尊敬。止まりたい、でもここまでいいペースだったのが台無しになるのも、って葛藤してた残り1マイル、けいちゃんとよしを発見。絶妙なポジションでの声掛け。性格がいいのか悪いのか。かっこいいフォーム、表情ではなかったけど闘志は見せられた。ピザピザいってるのは聞こえた。終わったら行こうな。ラストはスパート。声援もより一層大きくなるゾーン。腕振って前進する。

そしてフィニッシュ。と同時に手を膝について立ち尽くす。見た目のタイムは1:47:30くらい。スタート位置からすると1:45は切れたはず。終盤落ちたからやばいなって思ったけど前半の貯金が効いて見事上位目標もクリア。最終的にタイムは1:42:18、上位20%以内に入る堂々の記録。レースの写真とかこういうタイム情報、参加記念品とかのサービスがすぐあるのも大会規模の凄さがわかる。終わった後は来てくれたことちゃん、Harsha、けいちゃん、よしと合流して、けんたさんも含めてまたピザ屋さん。けんたさん12位だって。1万人よ? 1:11って駅伝選手でもおかしくないよ。わしの記録が霞むからやめてくれ。ピザは安定においしかった。お金気にせず食べれるのは嬉しい。自分でないのにこうやって応援に来てくれる人たちの人間性って素晴らしいと思う。マラソンなんて特に一瞬しか応援できないのに。この人たちをずっと大事にしていきたいと心に誓った。その後いったん寮に帰って着替えてバイトへ。バイト先でほめてもらえてうれしかった。SNSでも報告させてもらって、いっぱい反応貰えた。これがあるから頑張れるよね。あんだけ走ってる途中辞めたかったのに、すぐ次のマラソンのこと考えてる自分が怖い。倍の距離、甘くないぞ~。当日はアドレナリンで頑張れたけど、その後数日は筋肉痛で小休止。マラソンも応募していて、レースは5週間後。まずは完走!と言いたいとこだけど、目安上4:00切りも目指せるみたい。勉強もレースも常に上を目指して、きついけど行けるとこまで行ってみよう!

春 天候不良
ハーフの後は見つけてきた記事の内容に沿って1週間休養。そうこうしてるうちに3月に入り、週のうち大半は雨。走るにしても長い距離の練習は行えず、思うように練習が積めない。色々調べてみたけど、フルマラソン走るからと言って必ずしも40キロの距離を練習するわけではなく、ピッチ走などで調整してエネルギーを使わない走り方、ペースを回復する力を身に着けるのが良いらしい。本来ならビブスが2週間前に届くはずなんだけど1日前まで待っても届かない。他の参加する友達には届いてるらしいんだけどNorthfieldどーなってんの?フル走るのはけんたさんとバイト仲間のちかちゃん。二人のちょうど間くらいの実力なので単独そうになりそう。IDSの日本人ズやレセプションのぴえちゃんは10kの方を走るみたい、いま10k走るとどのくらいのタイムになるんだろう。応募をだいぶ前にやっちゃってるからスタートグループは4時間30分レンジ。スタートダッシュして1つ前、2つ前のグループでレースを進めなければ。前日にスタート位置のPreston Parkを視察。大きな公園だけど周囲のアップダウンが激しいのが気がかり。今回もインスタで走ります投稿したけど、ハーフの方が反応よかった?セメスター大詰めだからなのか、もう既視感があるのか。調子乗って空回りした感。

~4月2日 Brighton Marathon~
10時スタートなので朝はハーフよりゆっくり目。前日まかないどんぶりたべたので用意したドーナツ朝食はスルー。水だけしっかり飲んで、いざ会場へ。天気は強風の曇り。9時スタートの10kは終始悪天候だったらしい。早い時間から道路閉鎖だったのでバスガレージから2キロほど歩く。足使いたくないと思いつつも、ウォーミングアップのつもりで洋楽をかけて気分良く歩く。公園の芝生広場にはこれまた多くのランナーが集結。2万人近くいるんだろうか?そんな中運よくレース前にけんたさんを発見。レースプラン教えてもらって一緒にストレッチ。そして10時過ぎにスタート。このころには晴れ間も見えるようになってきた。グループの先頭集団で序盤レースを進めて、海沿いに出るまでのロンドンロード沿いを快調に進む。けいちゃんとよしの応援にもしっかり反応できた。10キロ過ぎからは海沿いをマリーナ方面へ。まだまだ余裕で4時間グループ先頭に追い付く。たくさんの人を抜いてきたけど、今回は給水もしっかりとれてて体調は良い。トイレもいいタイミングで行けた。20キロ過ぎで折り返してHove方面へ長い直線。このころには天気は快晴、気温も上がり汗が噴き出す。25キロ過ぎの町中心部Old Steine周辺は何重にもなった観客の声援が大音量で聞こえて心地よい。先に走り終わった10kランナーの友達やバイト仲間のたまちゃんの声援に応える。

20キロ過ぎたくらいから少し呼吸が辛くなる。周りのランナーからタイムを聞いたところ1時間40分くらいの通過。ここからどれだけ粘れるか。Hoveに入った30キロ過ぎ、このレースで初めてペースを落としジョグに切り替え。未知の領域に突入しており、猛烈にお腹がすいてエネルギー不足。キャンディとかフルーツとか食べれないのが大きなマイナスだなぁ。Hove市内に入ると沿道の人からチップスやらピザやらとにかくエネルギーになりそうなものをいただきながらなんとか止まらずに前進。せっかく3時間30分集団まできてたのにこの減速で1集団分逆戻り。ペース落とさないランナー凄いなぁ。35キロ過ぎのラグーン前で2度目のトイレ休憩をとってからは歩く時間も。一度止まると走り出せない。。でもここまで来て棄権は絶対いやだから40キロからの残り数キロは最後の力を振り絞ってラストスパート。結局タイムは4時間30分台と満足いく結果ではなかった。けんたさん6位?2時間20分?初マラソン同士楽しもう!って何だったの?今回はゴール後すぐにけいちゃんとよしと会えて、メダル見せてあげたり写真撮ったり。余裕なふりして対応してるけど、30キロ台はとてもじゃないけど見せられない姿だったんだよ。。これ、もう一回リベンジせんといかんなぁ、止まらずに走れてたタイムも見てみたい。ニューヨークマラソンは少しの差で応募できんかったけどいつかどこかで。

ランニング後は約束通りバイト先でラーメンをただでいただく。ちかちゃんも4時間45分くらいで完走したらしい、危ない危ない抜かれる寸前やん。今日はバイト入れてないけど、意外と体は大丈夫。でも翌日以降の1週間は筋肉痛はもちろん足首や足のつま先の骨が痛んで大変大変。やっぱ普通の運動靴はあかんかぁ。でも、まとめると走ってきてよかった。いい結果悪い結果たくさんあったけど、全部いい経験だし、自分を律する力、力をつけていく過程はほんとにいい学びで、自信にもつながりました。今後もいろんな国の大会に出て走ってみたいなー!以上、ランニングレポートでした。いっぱい食べて体重回復せねば!

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