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前回:【小説】連れていく(12) それから三本の列車が駅に入線し、また出発していった。佳…
前回:【小説】連れていく(11) * 佳織は、ベンチの表面を撫でてみた。嫌になるほど、滑…
前回:【小説】連れていく(10) * 広島国際アニメーションフェスティバルは二年に一度、…
前回:【小説】連れていく(9) 太陽は真上に昇っている、らしい。今日も晴れて、惜しみな…
前回:【小説】連れていく(8) 児島駅に戻る途中も、梨絵は一言も話さなかった。バスが来…
前回:【小説】連れていく(7) 梨絵がスマートフォンを見ながら、バス停から離れていく。…
前回:【小説】連れていく(6) 「ご飯美味しかったなぁ。めっちゃボリューミーで」 佳織は水色のベンチに座る梨絵に話しかけた。単線のホームはがらんとしていて、蜃気楼で線路の先が少し歪んで見える。気温は上昇の一途。屋根に遮られていても熱がこもっている分、より暑い。梨絵は、自動販売機で買ったミネラルウォーターを、一口飲んでから答えた。 「私達が食べ終わる辺りから、お客さん何人か来始めてましたもんね。席もけっこう埋まって。地元の人に大事にされてるんだな、って伝わってきました」
前回:【小説】連れていく(5) 倉敷市駅は、駅舎の上が駐車場になっている。レンガ調のタ…
前回:【小説】連れていく(4) 神戸線の車内は、二人が楽に座れるくらいには空いていた。…
前回:【小説】連れていく(3) 「で、これからどないすんの」 主に梨絵が、たっぷり風景…
前回:【小説】連れていく(2) 線路の先を見つめる。目線が同じなので、会話もない。二人…
前回:【小説】連れていく(1) 西宮北口駅。阪急電鉄神戸本線と、今津線が接続するこの駅…
〝仕事終わったで。今日はいつもより残業多かったから疲れたわ〟 門司佳織は、ビルを出ると…