薬制薬事の雑記(1) 薬制薬事の情報源

薬制薬事の仕事として、薬事に関する手続きについて行なったり、社内からの問い合わせに回答したりといったことを主にすると思います。

その際に「通知」と呼ばれるものを参照することになります。

「通知」という言葉は、おそらく薬事界隈では一般的なのでしょうが、法学では「通達」という言葉の方をよく使うのではないでしょうか。

行政法の教科書[*1]を引用すると、立法府たる国会が定める法律の範囲内で、行政府たる政府が定める規範を「行政立法(行政基準)」といい、国民の権利義務に関わる規範を「法規命令」、国民の権利義務に関わらない行政の内部基準にとどまる規範を「行政規則」といいます。

法規命令には「政令」や「省令」が含まれ、「行政規則」に「通達」や「訓令」などが含まれます。

手元の行政法の教科書に「通知」に関する記載は見つかりませんが、国立研究開発法人 科学技術振興機構が発行していた雑誌に記事[*2]あります。

そこには、「通達の出せない相手に対して 「従ってほしい」 という気持ちを込めて出すもの」と書かれています。

とはいえ、申請や届出等の手続きについて、このように扱うのでそのつもりで!といったことが書かれていますので、事実上ここにおける記載内容に拘束されてしまうことになります。

思うところはありますが、通知の記載内容を的確に把握することで、手続きの適否の判断を素早く行い、迅速に手続きを完了させることが薬事の関係するビジネスでは重要になるというワケです。

そのために以下のサービスを活用することが多いと思います。

・厚生労働省法令等データベース
このサイトでは過去の通知などを検索して閲覧することが出来ます。薬機法(旧薬事法)を根拠とするものだけで5,000を越えています。
他の省庁にもこういうサービスがあれば良いのですが...

・praise-net
薬事に関する通知などがまとめてpraise-mailとしてメールで送られてきます。便利なサービスですが、関薬協、東薬工の会員会社しか利用することが出来ません。

[References]
*1 櫻井敬子 他. 『行政法 第5版』.弘文堂, 2016年, p.58-59
*2 島 亜紀. 連載:研究・実務に役立つ!リーガル・リサーチ入門 第5回 通達・告示等. 情報管理, 2013, vol.55, no.11, p.833-838

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