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【あるあるPA講座】第1回 スタンドあるあるはやく言いたい♪

機材のことは説明書を読めばなんとなくわかるしネットでも楽器屋でも教えてくれるけど、スタジオの使い方は誰も教えちゃくれない。この講座ではスタジオにある機材を正しく扱えるようになれることを目的とし、初心者から知らないままできてしまっている人まで簡単なことだけをお伝えします。※基本的にスタジオBANQUETの機材に特化した知識となります、あらかじめご理解ください。

こちらはあるいるnoteの共同マガジン「なんでもレクチャー研究会」にて連載しています。連載単体のマガジンはこちら

スタジオにある機材をなんとな〜く簡単に説明していく連載講座、第1回のテーマは「マイクスタンド」です。知っているようで実は知らない、毎日見るわけではないから知識は曖昧、それがマイクスタンド。

ここでは基本的な構造を学びつつ、実は陰で笑われていた?!ダサくないセッティング方法を習得しましょう。大体同じ構造なので、どんなタイプのスタンドにも対処できるようになります。


基本構造はやく言いたい♪

スタジオやライブハウスではK&M(ケーアンドエム)のST210/20(呼び方は諸説あると思いますがニヒャクトーでもいいです)というものが定番として使われているので、こちらのスタンドの基本として構造を学んでいきましょう。

全体図

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通常マイクスタンドは上部のマイクを取り付ける「ブーム部」と下からまっすぐ立っている「ストレート部」に分かれており、組み合わさった状態で存在しています。

【ブームあるある】
主にギターボーカルなどエフェクター、キーボードなど何か越しにマイクをセッティングしなければならない場合や、ドラムボーカルなど横からセッティングしなければいけない時に必要になってきます。グネっとさせたい時に便利です。

【ストレートあるある】
ストレート部のみで使う場合はストレートスタンドとも呼ばれます。マイクスタンドをつかうタイプのピンボーカル以外には特に用途は思い浮かばないので、ほとんど出番はありません。「直スタ」と呼ばれることもあるかもしれません。ライブハウスなどでは「ストレートにしてください」と言えば通じる可能性もあります。


それではどこが動くのかを説明していきましょう。

可動!ストレート部

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こちらが動かせるところ一覧です。ここ以外は触らないようにしましょう。何も起きません。

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<上部>
ストレート部は内側と外側の二本構造になっていて、黒いプラスチックのパーツ(ストッパー)を緩めることで伸縮させることができます。当たり前ですが、締めないと回り続けます。

上部のネジ部分にはワッシャーがついており、これにより内側が落ちてしまわないようになっています。逆に言うとストッパーが閉まってなくても落ちないので、しっかり確認しましょう。当たり前ですが、締めないと回り続けます。

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<下部>
足元は3点で支えられています。「K&M」と書かれた丸いパーツやつを緩めると、中央のストレートな部分を動かすことができます。

主に収納時に動かすだけなので、使用時には引っかかるまで上に上げ固定します。たまに緩んでいて床まで落ちていることもあるので、しっかり上に上げてから固定しましょう。当たり前ですが締めないと回り続けます。

足は三本とも折りたたむことができます。その際真ん中のストレートな部分は下まで落としましょう。

このほかは可動も駆動も致しません。むやみやたらと触らないようにしましょう。

可動!ブーム部

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ストレート部上部のネジとブーム部中央の黒いパーツが(「しめるところ」で)つながっています。ネジなので回してつけましょう(付け方は後述)。当たり前ですが締めないと回り続けますし、マイク装着時に外れてしまうと大惨事になりかねません。

ブーム部の先端のネジ部分にもワッシャーがついています。ネジ部分にマイクホルダーを取り付けるので、ワッシャーが浮いていないか確認し奥まで閉めておきましょう。ゆるめる方向と逆に回すと締まります。(ワッシャーがない場合も普通にあります)

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丸い玉のついたT字のやつでブームの角度を固定することができます。ここを締め過ぎると他の人に迷惑がかかる他、部品が破損して二度と緩められなくなる可能性もあります。適度な力加減を心がけましょう。

そしてこちらにもK&Mの丸いやつがあります。ここで中央からのブームの長さを決めます。(バランスは後述)

以上が全ての可動部分になります。

締めるコツはやく言いたい♪

ストレート部分を締める時やマイクホルダーを取り付ける時、くるくる回していては時間もかかるし不安定です。そこで次のような方法をぜひとも習得しましょう。

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<ストレート部とブーム部を固定する場合>
(あらかじめワッシャーが固定されているか確認します。)
①ストレート部のストッパー部分を緩め、②内側を取り出します。
③ストレート部のネジにブーム部を乗せます。

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④ブーム部は固定したまま、ストレート部の方だけ(下だけ)を回転させ締めていきます。
⑤固定できたら長さ調整し、⑥ストッパーを締めて完成。

長さ(高さ)を調節したい場合は①ストッパーをゆるめ、⑤調節し、⑥しめる、という手順になります。

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<マイクホルダを固定する場合>
(あらかじめワッシャーが固定されているか確認します。)
①ブーム部の丸いやつを緩めます。
②マイクホルダとネジに合わせ、③マイクホルダではなくブームの方を回転させて締めていきます。
④完全に固定できたら丸いやつを締めて完成。

このように上部を回すことなく締めることでなんとなくプロっぽくなります。緩めるポイントと締めるポイントを正しく把握し実践してみましょう。


スタンドの立て方はやく言いたい♪

まずは立てる向きから解説します。

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基本的に3点で支えられているスタンドなので向かって自分側に2点、正面に1点という形が基本的になります。そうでなければ普通に足が邪魔になり、エフェクターやモニタースピーカーも置けません。

マイクスタンドの正面に立たない場合(キーボードやドラムなど座っていて横から狙う場合)などは足元の状況により安定することを優先に置いてみてください。

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ブームのバランスは7:3を目安にするといいでしょう。ボーカルなどはマイクホルダ側が長く、奥が短くなります。このバランスが変わるのは楽器にマイキングする場合くらいです。相当背が高い場合は9:1になることもありますが、基本的には高さはストレート部で調節します。

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【バランスあるある】
たまに見かけるブームが3:7と後ろが長く角度も平行に近いため高さが足りずストレート部を伸ばしているパターンはバランスが悪く見えます。

バランスがいい例はブームが7:3でマイク側が長く、また高さに合わせた角度になりストレート部は極力伸ばしていないものが理想的です。

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これらを応用して、高さと奥行きを調節します。大体この4パターンのどれかになるとは思うので、参考にしてみてください。

まとめはやく言いたい♪

【スタンドのポイントまとめ】
1.動かせるところ・動かせないところを覚えよう
2.効率の良い締め方をマスターしよう
3.良さそうなバランスに慣れよう

※締まった状態で無理やり曲げるのはNG

以上がマイクスタンドあるあるでした。習うより慣れる方がいいので、積極的に触ってみましょう。それではまた次回…(つづく)

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