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動機づけ面接のプロセス1 かかわる

「福祉現場で役立つ動機づけ面接入門」No8

 おはようございます。

 動機づけ面接でクライエントの「変わりたい」という動機を強化していくための第一歩として、挙げられるのが、このかかわるというプロセス。そこでクライエントとの関係を壊してしまうダメなかかわりが挙げられています。

ダメなかかわり

①アセスメントに夢中になり過ぎる

 もちろんクライエントの問題を探る上でアセスメント(必要な情報収集と見立て)は重要です。しかし、そこは、クライエントの気持ちを受動的にしたり、本来は対等であるべき支援者との関係を一段下にしてしまったりする危険があるといいます。

 後に出てきますが、チェンジトークというクライエントの変わりたい気持ちの表明を促す上でも、クライエントに受け身な構えが出来ないように配慮する必要があります。

②安易に目標を設定してしまう

 ①と同じ理由で、支援者が勝手にクライエントの目標を定めてしまうこともかかわりを強める上で障害になるといいます。情報提供やアドバイスは、クライエントとの信頼関係が強固なものになったとき、かつクライエントが求めている事柄について行っていく。そのために、まずは、信頼関係構築のためのかかわりに徹するというわけです。

③ラベリング

 クライエントの話を十分に理解しないうちに、状況判断をしてしまうことにも注意が必要であるといいます。”ADHD”や”学習障害”など、まだ十分に情報を聞いていない内から決めつけてしまう、すると、クライエントやその家族は、そのラベルに過剰に反応してしまい、不協和が生じてしまう…。最近は、例えば、"HSP"等、インターネット先行でいわゆる”ラベル”が付けられる、あるいは、つけられたように錯覚する時代になりましたから、余計に注意が必要ですね。

良いかかわり

 では、逆に良い関わりとは何か。ちょっと先取りして見てみると、聞き返し正確な共感が挙げられるそうです。聞き返しとは、ただクライエントが言ったことを繰り返しのではなく、こちらの推測を交えて聞き返してみる。

例えば、本書で挙げられている例ですと、

クライエント:父の介護は大変なんです…

 に対して、「誰かの助けが必要なのかな?」と推測して、

支援者:これまでは一人でがんばってきたけれど、そろそろ専門家の手をかりても良いかなって?

 などと聞き返す。もちろんそれがクライエントの理解に繋がれば良いし、繋がらない、あるいは、外れた場合は、よりクライエントの返答から、方向性をより正確に定めていけば良い(正確な共感)。

 動機づけ面接のどんな面接においても、このかかわりに20%の時間を割く(以下、三項)、というくらい重要な視点。やはり、最初が重要ですね!!


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