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お茶のお供に

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■毎日なんでもないことを繰り返す中で、発見と気付きの中間に佇む様な瞬間が度々訪れる。見てみぬふりをして通り過ぎたって構わない、忘れられる過去からの賜物。皆様の一服のお供に。 別… もっと読む
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記事一覧

言葉は煮えて、声がほぐれる。

先週末から今週8日まで、九州ツアーに出ていた。久しぶりにソロでまわるので、美味しいものを…

見汐麻衣
6か月前
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本を読むこと。文章を書くこと。人と話すこと。

■ 去年の夏。色々な縁が重なって本を出すことになり、以前より書き溜めていた文章を一度全部…

見汐麻衣
6か月前
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「映画館」

(2020.4.8.水.記) ふと気を抜くと、今の日常に対し「ぐあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ぁぁぁぁあ…

見汐麻衣
7か月前
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わたしのすきなひと(番外編)

※季刊誌『黒猫』にて掲載していた「わたしのすきなひと」より転載。 ■ 今回は番外編で喫茶…

見汐麻衣
8か月前
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寿司雑記3

■ 数ヶ月前、テレビに成田悠輔という人が出演していて左右対称でないメガネをかけていた。右…

見汐麻衣
1年前
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寿司雑記

■ 3年間、コロナ禍もあり遠慮していた水泳を再開した。 週に2回、1時間程の水中ウォーキング…

見汐麻衣
1年前
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寿司雑記2

■ 26日、土曜日から大阪。久しぶりに会う友人の家にお世話になる。友人の家は谷町線四天王寺前夕陽ヶ丘駅が最寄駅。以前、私が暮らしていた谷町9丁目駅の隣町。谷町線沿いには思い出が沢山ある。といっても誰かと何したと言ったものではなく、店や道、風景の方に多い。27日、谷内一光展「谷内一光時代」の最終日前日。一光君に呼んで頂き田辺へ。展示会場でもあるLVDBBOOKさんにて演奏。とてもいい夜だった。沢山語りたいことがあるが、もう少し噛み締めてからにします。ありがとうございました。

かなわない。たまもの。

(2016.2.23.記) 23歳の春、神蔵美子『たまもの』(筑摩書房)を購入した。 二人の男の間で揺れ動…

見汐麻衣
1年前
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普通を誰も教えてくれない

(2016.11.14記) 今月は哲学者、鷲田清一氏の著書月間。 「ことばの顔」「待つということ」 そ…

見汐麻衣
1年前
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悲しいニュース

■ 10月に入ってから立て続けに耳に入ってくる訃報や災いが多く、その全ては私がまだ幼少の頃…

見汐麻衣
1年前
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終わりに向かって

(2021.8.23.記) ■ 「〈前略〉晩年、甥に対し(夫に先立たれてからひとりで生きていく時間の長…

見汐麻衣
1年前
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濃密な空洞

(2014.3.16記) 田中慎弥原作/青山真治監督「共喰い」観る。 「共喰い」の中で門司港の中央市…

見汐麻衣
2年前
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鞄の中

(2016.4.30.記) 自宅から駅まで向う道順がふた通りある。 家を出てすぐに左折するか、しばらく…

見汐麻衣
2年前
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アル中ハイマー

(2016.5.23.記) と、いう造語を作ったのは山田風太郎氏だったと思う。 気になって、山田氏の随筆『あと千回の晩飯』(朝日文庫)を読む。 やはり、そうだった。アル中ハイマー、最近お酒を呑みながらふとこの言葉が浮かぶ。そして一人で苦笑してしまいます。 本を読み直していて、下記の文章に掴まる。 「(前略)自分と他者の差は一歩だ。しかし人間は永遠に他者になることはできない。自分と死者との差は千歩だ。しかし人間は今の今、死者になることができる」 「私に〈あの世〉への親近感な