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クイナをこよなく愛するマングース


時はバブルのまっただ中。都会では高級車や高級クラブ、ブランド品等が支配する中、本州の北の外れで密かに誕生した男

地球世紀19XX年人類史上ごくまれにいる男の物語である。

前回のあらすじ

北の外れに住む彼。年に一度のイベントに胸を踊らせ待機中に突如物資調達のため出撃するはめになる。
目標地点に到着した彼は悲惨な光景を目の当たりにしてしまう。しかしベテランの「強くなれ」の一言に心打たれ強く生きようと決心するのであった。そこへまたしても指令部からの一報が入る………


第2話 クリスマスケーキ破壊命令!後編

イベント開始まで残り1日をきり、基地内はさらにあわただしくなってきている。そんな中、相変わらず彼は何をする事もなくゴロゴロしていた。ベテランの一言をもう忘れたかのように……
やることなくて眠りに就こうとした時、指令部からの一報がドック内に響き渡った。
彼は飛び起きあたりをキョロキョロ見渡した。そこへ先輩があわただしく駆け寄ってきて、彼にこう告げた。
「司令官がお呼びだ!今回は司令官が直接任務を告げるみたいだ。早く台所に行こう!」と言って彼の手を引っ張った。
彼は内心、「めんどくせ~な~」と思ったが口には出さなかった。

台所に着くとそこには沢山の食糧が整然と並んでいた。彼がある一点に視線をやり先輩に聞いた。
「あれまだ完成してないね」と言うと先輩は
「し~っ」と言って彼の口に人差し指を当てた。沈黙が数秒続いた後、指揮官が口を開いた。

「 今や我々の戦力疲弊している。しかしその中でも一筋の光を見出だす事だってある!それがこのイベントだ!そしてそのイベントで大事な物は何か!ここにある食糧?プレゼント?それともツリーか!どれも大事な物ばかりだ。だが重要な物が一つ欠けている。それは、クリスマスケーキだ!ケーキを完成させなければならない!しかし我々に時間も温存兵力ももはや無い!しかしだ、我々はけして諦めたりはしない!若き者に託そうではないかな!」
そう言うと指揮官は彼と先輩の方をみて話し出した。

「世界レベルでみたら小さいかも知れない!しかし、このケーキの完成が我々の希望である事を知ってもらいたい!だから、もう少しの間私に命を預けて欲しい!」その瞬間先輩は涙を流し指揮官の方を見つめていた。

指揮官の話しが終わり、そうそうに任務あたる彼と先輩。スポンジにクリームを塗り最終段階のデコレーションへ移行する。そこで悲劇は起きた。

イチゴ、板チョコ、砂糖かなんかでできたサンタのお菓子みたいなやつを配置するのに意見が食い違い、内部抗争が起きてしまったのだ。戦闘は激化し激しさをましていった。すると突然先輩はその場を立ち去り静けさ取り戻した。
数分後……

何かの気配に気付き振り返る彼。そこには先輩の姿が。手にはスリッパ!このままではヤられると判断した彼はとっさにケーキを守ろうとして体をよじる。その瞬間、先輩が放ったスリッパが見事ケーキに命中!ケーキは無残にも大破してしまった。彼は力なく膝から崩れ落ちた。そして先輩は彼に向かって
「こんな物があるからいけないんだ!争いなんて人の心が支配しているんだ!こんな物があるから!」
そう言うとそのままどこかに行ってしまった。彼は涙を流し唇を噛みしめながら
「そ~だよ、確かにそ~だよ。ケーキがあっても無くても人の心が豊かなら争いなんて起こらないんだ。」と心に強く思った。

大事なイベントでの大事な任務を任された彼。しかしそれは先輩との争いで幕を閉じる事になる。しかし彼はその経験で大きく成長するのであった。

次回 家の水槽を叩け!

遂に我々の基地に導入された新兵器!初めて見る光景に驚きを隠せず眺めてしまう。しかしそれは儚くも散ってしまう……

君は歴史の目撃者になる!


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