何をもって人手不足を補うか
こんにちは。ホワイトボックス(株)コンサルティング部の阿部です。今日(2021年7月10日)の日本経済新聞に、「2040年度の介護職員 280万人と厚労省推計 上積み必要」と題した記事が掲載されました。
以前から言われていることではありましたが、団塊の世代全員が後期高齢者になる2025年、そして団塊ジュニアが高齢者になりはじめる2040年代が迫る中、人口減少の局面にある日本は人口構成が頭でっかちの形になることが明らかです。
人手不足は多くの業態で共通の事柄です。建設、運輸、そして介護。運輸や建設は機械化・ロボット化が進むことで人の代用が一定の範囲で行われるとしても、属人的な介護という業態になると機械化による恩恵はどうしても限られてくることは想像に難くありません。
▽人材獲得のための努力はどこまで行われているか
ところで、常に危機感を煽られているこれらの業態では、人材獲得のための努力はどこまで行われているのでしょうか。働きやすい環境の整備、処遇の改善などテーマは多々あるなか、大手であれば対応はとられているでしょうが、反論を恐れずに言えば、中小規模の事業者では十分とられているとは言い難い現状があるように思います。
SNS全盛のこの時代、求人をハローワークに出す、または自社のホームページに掲載している、の待ちの戦略だけで足りるのでしょうか。そのホームページの閲覧数はどのくらいあり、どんな人が訪れているのかの分析はできているのでしょうか。内容は掲載当時のまま漫然としていて、すでに風化していはいないでしょうか。
▽外国人にまつわる制度の幻想
外国人技能実習制度、あるいは特定技能制度を利用して、外国人を雇用しようという動きは、コロナ禍があければ再び活性化することが期待されます。しかし、本当にそこまで外国人に期待できるでしょうか。
コロナ禍は、こうした諸問題を白日のもとに晒しました。外国人労働者を多く受け入れいているシンガポールやマレーシアでは、外国人労働者の劣悪な住環境が感染拡大を招くとともに、とくにマレーシアでは劣悪な労働環境で働かせていたことが問題視され、同国を代表する企業の一つで、ゴム手袋の世界TOP、トップグローブが世界の衆目を集めました。
日本も他国のことは言えず、相変わらず外国人に対する対応の悪さを取り上げたニュースを目にすることが後を絶ちません。
経済成長が鈍化している日本で働くことと、他の国を選択肢として働くことが天秤にかけられる場面が実際多いことを耳にします。治安が良いという面では日本は他国に比べて頭一つ抜けているとは思いますが、他の面、特に給与面についての優位性は以前から薄れていることは明らかです。
▽自力をつける取組みが必須
中小であれ、零細であれ、私は地力をつける取組みが必須だと考えています。
例えば教育や指導に関すること。多くの中小・零細事業者では、マニュアルの整備までには及ばず、先輩によるOJT(On Job Training)に頼っているのが現状ではないでしょうか。こうした指導は属人的であり、時に指導者によって言うことややり方が変わり、非指導者を混乱させるだけでなく、早々に不満を与えてしまうことになります。まずは標準化することから始めることが有効です。
以前、私が編集を担当しているメルマガ「☆キラリと光る☆ 病院マネジメントのヒント」で、教育体制の整備をテーマに取り上げたことがあります。当時作成した資料が以下でダウンロードできるので、興味のある方は覗いていってください。
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