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ボランティアの効用

こんにちは。ホワイトボックス(株)コンサルティング部の阿部です。
昨年の9月から、月に2回計90分ほどの短い時間ではありますが、市内に在留している外国人の方たちに日本語を教えるボランティアに参加させてもらっています。

あいにくのコロナ禍ということもあり、コロナ前と比べると外国の方達の数が少なく、「教える側>外国の方」という構図の現状がありますが、それでも中国の方、ベトナムの方、インドネシアの方、ネパールの方などが定期的に勉強にやってきています。


▽教材購入は自腹

日本語教師は本来は420時間の講座修了や検定合格といった要件が必要ですが、我々の場合はボランティアなので必ずしも資格や経験を必要とはしていません。それでも、教える側では「~になると」と「~になれば」のちょっとしたニュアンスの違いで意見を交わす場面がみられるなど、真剣な活動が行われています。

また、教えるといってもなんの教材もなければ教えることはできないので、教材としてボランティア団体が進めている教科書を自腹で購入して事前に勉強したりして、日本語を教えることの難しさを感じたりもしています。


▽あらためて感じる日本語の難しさ

コロナ禍で来日する外国人が少ないこと、また対面授業を受けたいという人が少ないこと、私自身の参加が不定期ということ、供給過剰ということもあってもあって、いまの私の立ち位置は、すでに教師ー生徒グループができあがっている先輩方のレッスンに一緒に参加させてもらいながら教え方などを学んでいるところですが、あらためて感じるのは日本語って難しいなぁ、ということ。

よく考えてみてください。ひらがながあって、カタカナがある。そして漢字です。訓読みもあれば音読みもある。

一文字ごとの漢字の読みを覚えても熟語になると音読みになったりと、複雑怪奇に変動する日本語を学ぶという彼ら姿勢には本当に頭の下がる思いがします。


▽敬意をもって

今日は先月、日本語能力試験N2の試験を受けたベトナム人の男性の方のレッスンに参加させてもらいました。

技能実習制度を利用して来日4年目になるというその男性は、技能実習制度の5年が終了したら特定技能の資格に切り替えて最大10年在留できることを望んでいました。

今日はまだ試験が終わったばかり。また新年1回目のレッスンということもあって、今後の方向性の確認や彼女の話しなどで一通りアイスブレークしたあと、新聞の切り抜き記事を読んでみるというレッスンがはじまりました。

先生が選んできた題材は自分たちにも関係することということで、上の記事 ↑ を切り抜き一緒に読むというものだったのですが、どうです? 読めます?

90分のレッスンで、途中話しが脱線しながらちょうど最後まで読み進めるという感じで終わりましたが、漢字の割合が高いこの記事を読むことが日本語能力検定N2のレベルなんだと思ったら、もう敬意しかありません。


▽自分のモチベーションのレバレッジ

ボランティアをはじめようと思った動機はいくつかありますが、一つには自分が英語を勉強するにあたってのモチベーションを維持するためでもありました。

少しくらい英語が話せるようになろうと思い、これまでNOVAに通ってみたり、DMMの英会話をしてみたりしてみましたが、コロナ禍後はあいにく会話のレッスンはしておらず、もっぱらNHKの英語のニュース記事を読んだり、寝る前に15~20分ほど英語のニュースを聞いたりする程度のものでしかありませんでした。

このままだとフェードアウトしてしまいそうだな…と思っていたところ、「いっそのこと日本語を教えるボランティアに参加して、日本語を教えることを通して自分の気持ちもあげていこう。日本語を教えるレベルの内容は、英語で話せるようにしておこう」というのがボランティアに参加した動機の一つではあります。

キャプションの「レバレッジ」とは「梃子(てこ)」のことを言います。日本語を教えることをテコにして、自分が英語を勉強する動機にしようと思ってはじめたボランティアでしたが、どうやらそれ以上の効果が期待できそうで、これからをとても楽しみにしています。

2022.01.09 阿部 勇司

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