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デジタルに期待しすぎない

デジタルは万能ツール、故に完璧でなければならない。止まることなく24時間365日働き続ける・・・デジタルにまだまだ幻想を持っている人も多いかも。今回はそんなお話です。

デジタルは休まず永遠と働き続ける?

 デジタルにどんなイメージを持っていますか?と伺うと「正確」「休まず稼働する」「なんでも叶えてくれる万能な存在」・・・そういうイメージを持たれている方が非常に多いです。ですからデジタル機器やサービスを導入さえすれば、うちの会社はより効率化が進み、新しい市場を攻略でき、365日稼働し続けられる。
 実際にはデジタルを入れたからと言ってそんなに大きな変革が起きる訳ではありません。

 ではなぜデジタル化しよう、DXを進めようというのか?

 と思われるかもしれませんが、それは「世の中の進化によりアナログからデジタルへシフトし、それぞれの現場がデジタルになりつつある中でアナログのままでは「取り残される」からです。
 実際、世界のデジタルランキングで日本はどんどん低下してしまい、都市のデジタル化という点でも東京ですら海外の途上国に追い抜かれる。そんなことが現実に起きているのです。
 そもそも、世界ではデジタルにより社会そのものが変化している中、日本においては社会が変化していない。例えば産業革命しても日本だけが革命していない様な状況です。蒸気機関が発明されたのに、人力でものを運び、ものを作り・・・そんな状況と同様の状態になりつつあります。
 ただ、過去の産業革命も同様に、蒸気機関、電気機器は延々動き続ける。ということが無いようにデジタルも止まらない。ということはないのです。

止まることによる問題より多くの恩恵がある

 「止まるのであればデジタルよりアナログのほうが良いのでは?」

 とおっしゃる方々もおられます。止まる、止まらない。という点ではアナログの場合はより柔軟に人が対応方法を変え、高負荷になっても対応し続けることでトラブル回避を行うことができることもあります。ただ、この議論で抜けているのは「普段の効率ではダントツにデジタルのほうが高い」ことと「デジタルでもトラブル回避を予め検討しておくこと」です。

 効率化はもうわざわざ説明することはないと思います。人がこなすよりもより早く、大量に、確実にさまざまな処理をデジタルならできているからです。

 しかも、人にストレスをかけず、環境対策などにもつながることもあります。より最適化した仕組みを導入することで会社や社会全体を良い方向に変えることができます。

 これらの恩恵を考慮に入れず、「デジタルは止まるのだからアナログのほうが良い」という判断をしてしまうと落とし穴に嵌ってしまいます。
 また、デジタルが難しい。と感じてしまうのは、アナログ時代より複雑なことをできるようになっているからです。難しいと感じても一度入れて使ってみると飛躍的に現場が変わるなんてことが起きます。食わず嫌いでは勿体無いです。

止まることを考慮し対応をする

 デジタルは止まることもある。この前提のもと、では問題が起きた場合、どのように対応を行うのか。ということを考えて付き合うことが必要不可欠です。
 ただ、この問題時の対応については、すべてをデジタルで構築すると複雑でコストも高く、運用しづらいものになることが多いです。
 デジタルだけで回避するのではなく、そういう時はアナログで対応し問題を回避する。という手もあります。
 実際に、トラブルが起きた場合、人手で処理を行う。といった現場も多くあります。
 そんなに手間がかかるのか。と思われるかもしれませんが、普段効率的に動いているデジタルの恩恵を考慮するとこの手間は全体から見ても大きなものではありません。むしろ、恩恵を受けていない場合がトラブル時の対応で、この対応を同じ人員で24時間365日対応を行うことを考えてみると、「デジタルってすごいのではないか?」と思える筈です。

 デジタルは完璧ではない。所詮人が作ったものでトラブルも発生する。

 この前提で活用を進めることでデジタル化、DXを推進することができるようになります。決済者の方は「完璧に動作するのか?」と聞くのではなく「トラブルが発生した際の対応策はちゃんと用意できているのか?」と聞いてみてください。

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