見出し画像

「やらなければならない」を無くす

 日本ではよく「何かをしたいならこれをやらなければならない」なんてことが多いですが、そもそもこれを無くすことがDXにつながります。という話です。

「やらなければならない」と言われるコト

 「やらなければならない」という言葉が使われるシーンを考えると、「何かをしたいならXXXをやらなければならない」という感じで繋がっていることが多いです。

 したいことに対し先に別のことをやらなければならない。
 何か面倒なことをやらなければ先に進めない。

 そういう別のこと、面倒なことを無くすことがDXにつながります。

 やりたいことに対して直接実行できない。という状況を考えると、現状は阻害要因があり、そのまま実行することが難しい状況なのだと思います。

 この阻害要因を無くすためには当然ながら何かを変える必要があります。

 つまりはこのコトをやらずに済むように変えること、すなわち変革です。

「既存のコトを先に片付けることで新しいコトができる」

 例えば、保険証は自分が病院に掛かった際に、保険加入者であることを証明するために病院で提示し、保険の負担を受けることができます。当然ですが、この保険証を提示するか否かは別にして、保険加入さえしていれば、負担を受けることができるのですが、保険の申請をするために病院が番号をしること、また、本人であることの証明としてプラスティックカードの「保険証」の提示が必要です。

 保険制度としてはあたり前のことでは?と思われる方も多いでしょう。

 また、今年の年末にはマイナンバーカードが保険証の機能を持つことになります。
 保険番号とマイナンバーとの紐付けが行わられ、病院でマイナンバーカードを提示すれば本人証明と共に、病院に保険番号が伝わり、保険負担を受けることができるようになります。

 利用者からすると「保険証」の提示から「マイナンバーカード」の提示に変わっただけ。持ち物がまとまるという恩恵があるかもしれませんが「やらなければならないコト」自体は何も変わっていません。
 病院側からするとマイナンバーカードから保険番号の紐付けを確認して手続きを進めることになりますから一手間増えているのかもしれません。

 しかしながら、本来やりたかったことは「病院の診療を受ける際保険負担を受けたい」ということです。
 ただ、保険負担を受けるために仕方がなく「保険証」を提示しているのです。

 既存の仕組みからすると、「保険組合に対し保険負担を請求するために必要なコト」かもしれませんが、利用者からすると「既存のルールを先に片付けなければ本来の目的が達成できない」ということになります。

 今まで、保険証で部分負担を受けていた訳だから提示は当然の事では?と思うかもしれませんが、それは、デジタル化以前、さまざまな書類のやり取りなどを行いながら紐付けを追っていく必要がありました。
 しかしながら、例えば、本人の情報と保険証番号、運転免許証番号などが紐づき、システムにそのままの情報がやり取りできるようになっていれば、「本人認証」の部分だけができれば、そもそも証明証を提示する必要もなくなるのです。

 例えば、生体認証で本人認証ができれば、そもそも証明証そのものを提示することも、持ち歩く必要もありません。

 実際にインドでは指紋認証で本人認証ができる基盤ができています。
 本人が本人であることがシステムで認証できるようになっており、さまざまな情報が紐付き、いろいろな仕組みが利用できるようになりつつあります。

「既存のコト」を無くすと「やらなければならない」が無くなる

 単に手段を変えるだけでは「やらなければならない」は無くなりません。一方で、「それって他の方法でできないの?」「そもそも必要なの?」という目線を持ち変えていくことで変革ができるようになります。

 XXXをしたいのであれば「やらなければならない」
 この部分を疑うことでより便利に、より本質を実行することが可能になります。

 普段何気ない行動の中にも「やらなければならない」コトが沢山あります。
 一歩引いて、「本当にやる必要があるのか?」と考えるだけでも、DXのネタを見つけ、変革を進めることができるようになります。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?