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今時の「デジタルオフィス」とは

コロナ禍以降加速している「テレワーク」の推進

2020年末時点で5割を超える企業が制度を導入し、今やいつでもどこでも働ける企業が増えてきました。

一方、テレワーク、つまりは場所や時間に縛られず働いている人は?というと5割の企業の中でもまだまだ限られている印象です。

今回は「テレワーク」を実現するために必要不可欠な「デジタルオフィス」を紹介します。

オフィスのデジタル化って?

「デジタルオフィス」と聞いて浮かぶ風景はどのようなものでしょうか?

オフィス空間にたくさんのPCが並び、サイネージなどで常に最新情報が流れ、ロボットが作業の手助けをしてくれる。AIスピーカーにより秘書機能が使え、VRなどで海外メンバーとも通訳者なしで会話ができる空間、議事録もAIが会話内容を元に作成してくれる・・・

と想像された方は20世紀に「21世紀はこうなる」という記事を読んだ方かもしれません。21世紀になり20年も経つとこの「昔の常識」はすでに古いものになっています。

「ではどのようなものがデジタルオフィスなの?」

そう思う方々も多いでしょう。

21世紀に入り、生まれた世代は「デジタルネイティブ」と呼ばれ、デジタルを使うことが当たり前になってきています。彼らのプライベートの過ごし方を見てみると「デジタルオフィス」がどのようなものかが判ります。

例えばゲームをみんなで楽しむ
 昭和ならゲームセンターにみんなで行って対戦プレイやソロプレーを楽しむ・・・でした。
 今時の場合は「スマホ」で「ボイスチャット」しながらリモートプレーなんてものが普通です。

例えば大学の共同研究
 研究室にみんなで集まってそれそれが自分の研究に没頭しつつ研究を進める。たまには同じ研究室の方とディスカッションなどを行う・・・でした。
 今時の場合は、Slackで研究内容をシェアしながら発表やディスカッションにはZoomなどのWeb会議を使う、最終発表のみ集合して行う。なんてことが普通です。

友人とビデオ鑑賞
 誰かの家に集まって大画面テレビの前にお菓子やドリンクなどを用意しつつ、盛り上がりながら鑑賞・・・でした。
 今時はカラオケボックスなどでそれぞれがコンテンツ視聴環境を用意すつつ、Web会議で騒ぎ合う。なんてことも。


昔の「デジタル」と、今時の「デジタル」で認識が変わってきています。
それは、「リアル」が前提の「デジタル」ではなく、「実現したいこと」をカタチにする「デジタル」に変わってきているのです。

つまりは、「IT活用」などの時代から「DX」の時代に変化しています。

オフィスワークとは?

オフィスでみなさまが行っている「ワーク」ってどういうものでしょうか?
私は以下3つの行動に大きく分けられると認識しています。

・会話
・会議
・業務

意外に少ない。と思われるかもしれませんが、分類してみるとこのカテゴリのいずれかに入ります。

会話

会話は内容も手段もさまざまです。

・何かの依頼、確認、相談など「会議」に満たないコミュニケーション
・内線電話、携帯電話などでの「通話」によるコミュニケーション
・何気ない雑談など場の雰囲気を作り出すコミュニケーション

どちらかというと、ライトなコミュニケーション全般です。

 オフィスに集まっていれば会話の機会がある。
 電話でなら会話できる。

と言われる方が多く、
リアルオフィスと同じ会話をするためにデジタル上でどうリアルを再現できるのか。
電話の代わりにIP通話などデジタルによる通話に変更したい。
などという話が多いです。

でも、今時のデジタルネイティブは「会話」といえば「チャット」です。

ゲームをしながらの「ボイスチャット」という手段も使っていますが、どちらかというとこちらは「会議」に近く、リアルタイムでお互いが反応することが「前提」のコミュニケーションです。
一般的な会話については「数秒単位のリアルタイム性」に拘らなくても良いものが多く、また、チャットなど文字に残る手段は後々確認することも出来、便利です。

最近ではInstagramのDMなどを使って会話する若者が増えています。
家族間でもLINEを活用されている方が多いのではないでしょうか。

デジタルオフィスにおける会話はチャットを多用する姿になります。

私の場合は、社内のみの会話ならTeamsチャット、社外もセットだと、Facebookメッセンジャーが多く、そこにTwitterのDM、Slackなどが加わります。
雑談からうち合わせまで様々なものがこなせ、しかも読み書きする瞬間のみ時間を取られるため、必要な時間が大幅に削減されました。

内容も普段直接会話で話しているものと変わらないため、効率化という意味合いでもおすすめです。

会議

会議についても内容が様々です。
大きく分類すると以下になります。

・定例会などの情報共有会議
・ディスカッションを伴う会議

複数人数で1時間以上の打ち合わせを実施するコミュニケーションです。

 リモートだと相手の顔が見えずちゃんと参加しているかどうか分かりにくい
 リモートだと同時発言が難しくディスカッションには向かない

と言われる方も多く、
リモートの相手がちゃんと認識しているかどうかを知りたい
ディスカッションに向くWeb会議が何かを知りたい
などという話が多いです。

 今どきはWeb会議・・・なのですが、会議の内容や質によっては、チャットへの切り替えやリアル集合でのディスカッションに切り替える必要があります。
Web会議は良いところもあれば悪いところもあります。
移動時間や全員の1箇所集合を伴わないため、圧倒的に時間削減やコスト削減につながります。ただ、内容に合っている場合でなければ、コミュニケーション品質が低下し、行いたかったことが実現できなくなります。
 特に意識が必要なのが「コミュニケーションの量」と「双方向性の量」です。

例えば、一方的に話す人が多い会議、定例会や情報共有会などは「会議」というスタイルを維持する必要がありません。情報を伝達することがそもそもの目的ですので、「チャット」などのSNSに切り替えることでデジタル化が可能です。
コミュニケーションも双方向性も多くはないが必要な場合は「Web会議」を選択、意外のディスカッションなどは「対面でのディスカッション」を選択した方が良いです。
「対面のディスカッション」はデジタル化しないのか?と問われそうですが、そもそも「デジタルに無理にでもする」必要はないのです。ただ、逆に「無理にリアルを続ける」必要もないのです。今時の最適を選択することが21世紀の「今の常識」です。

デジタルオフィスにおける「会議」は質によって「チャット」「Web会議」「リアル」を選択する姿になります。

業務

業務についても様々です。
・OAワーク(オフィスツールを使った情報処理)
・メールなどのコミュニケーション
・ワークフローなどの処理(付帯業務)

基本オフィスワーク全般の作業を表します。
 パソコンを持ち出して利用することができない
 セキュリティを考えると外で使うことは難しい
と言われる方も多いです。

 今時は、「スマホ」を使いあらゆることをしています。今やデジタルネイティブ以外の方もプライベートではスマホを使っているのではないでしょうか?
 例えば、今の大学生はレポートをSNSなどで送付します。メッセージをそのまま打ち込み送ってくるのです。また、メールなどはほぼ使わずSNSでやり取りをしています。

 また、学生以外の方もメールを使ったとしてもパソコンを使わず処理しているのではないでしょうか?

業務はすでにスマホで全てできる世界になってきています。

ドキュメントの作成、表計算、プレゼン資料づくりなどのMicrosoft Officeはスマホ版も存在しますし、Outlookなどのスケジュール管理&メールもスマホでできます。SNS・チャットは当然スマホでできますし、相手の在籍確認もチャットのプレゼンス(相手状態表示)機能で見ることができます。
画面が広い方が、キーボードが使えた方が。という場合はタブレットという選択肢もあります。

デジタルオフィスにおける業務は「スマホを利用」する姿になります。

実際にどれほどの業務が出来るのか?

デジタルオフィスのカタチは分かったが実際どのくらい仕事ができるのか?疑問になると思います。私の場合は7割の仕事をスマホ&タブレットで行っています。
業務処理・会話・会議はほぼこなせます。
パワポ作成、表計算、文書作成から予定調整、チャット、メール、情報共有までをスマホ&タブレットで行っています。

以外に数百ページに及ぶプレゼンテーション資料はモバイルパソコンを使っています。

「スマホやタブレットでなければならない」ではなく、状況に合わせて最適なツールを使えることが今時のデジタルオフィスなのです。

モバイルデジタルツールに環境が変わってから、仕事するスタイルが大きく変わりました。
以前は、オフィスのデスクでパソコンと常に向き合いメール処理、ドキュメント作成などを行っていました。処理などを行わない場合でも、パソコンに向かって席に座っています。何かアイデアを考える場合でも、デスクのパソコンに向かったままでした。
会議の時間になるとパソコン作業は中断し会議室に向かいます。
発言が必要な会議であれば問題ないのですが、情報共有などのインプットだけの会議の場合は作業も滞ってしまいます。

つまり、無駄な時間の使い方が多かったのです。

今は必要な瞬間、コミュニケーションも、業務作業も全て行う。移動中でも、休憩中でも思いついたら即処理ができる。逆に隙間時間が沢山できますから新しいことにチャレンジする様な使い方ができるようになりました。時間における生産性が飛躍的に向上するとともに、どんなタイミングでも処理が行え、結果的にリアルな都合に左右されず行処理が行えるようになりました。

出張移動中なども業務処理やコミュニケーションが滞ることはありません。

ただ、まだまだ対面が良いと感じることがあることも事実です。
今時のデジタルネイティブも常にスマホの中に没入しているわけではありません。

デジタルオフィスと、リアルオフィスの両立と最適な使い分けが今後求められるのではないでしょうか。


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