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テキスト版:昭和40年男の梶原一騎論

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(株)クレタバブリッシングから刊行されている隔月誌『昭和40年男』にて、2013年から2018年まで連載した「昭和40年男の梶原一騎論」の全話の本文とコラムをテキストのみで再録。
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#井上コオ

巨人の星VS侍ジャイアンツ ~梶原一騎が描いた〝陰〟と〝陽〟の ど根性ストーリー~(「昭和40年男」2020年4月号・特集“俺たちど根性世代”より

巨人の星VS侍ジャイアンツ ~梶原一騎が描いた〝陰〟と〝陽〟の ど根性ストーリー~(「昭和40年男」2020年4月号・特集“俺たちど根性世代”より

 俺たち昭和40年男は「巨人の星」に代表される〝スポ根マンガブーム〟をリアルタイムでは体験していない。しかし、ブーム以降もスポーツを通じて〝努力〟や〝根性〟の尊さを描く熱血ドラマは俺たちの少年期にも受け継がれていた。だから「巨人の星」も過去作品という意識はなく、テレビの再放送やコミックスを通じて十分に熱中できたのだ。

悲運という宿命に挑む ミスターど根性・星飛雄馬

 ♪思い込んだら試練の道を行

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第二回「侍ジャイアンツ」(2013年10月号より本文のみ再録)

第二回「侍ジャイアンツ」(2013年10月号より本文のみ再録)

 2013年のプロ野球界で、投手と打者の“二刀流”選手として注目を浴びる北海道日本ハムファイターズの大谷翔平。彼の活躍を目にする度に私はある人物を思い出してしまう。それは番場蛮だ。今から40年以上前の野球マンガ『侍ジャイアンツ』に登場した彼は、早すぎた“二刀流”選手だった。豪速球と幾多の魔球を投げる投手であるだけでなく、一本づり打法でここ一番チャンスに強い打者である番場蛮の、マンガやアニメでの大活

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