マガジンのカバー画像

テキスト版:昭和40年男の梶原一騎論

33
(株)クレタバブリッシングから刊行されている隔月誌『昭和40年男』にて、2013年から2018年まで連載した「昭和40年男の梶原一騎論」の全話の本文とコラムをテキストのみで再録。
運営しているクリエイター

2019年10月の記事一覧

第一回「あしたのジョー」(2013年8月号より本文のみ再録)

第一回「あしたのジョー」(2013年8月号より本文のみ再録)

 僕らが物心ついた頃には、梶原一騎はすでに劇画界の大御所だった。ヒットメーカーとして少年誌だけでなく青年誌にも連載の場を広げ、数多くの作品がテレビアニメ化や映画化されていたのだ。マンガから、テレビから、そしてスクリーンから幾多のドラマを浴びるようにして育った僕らは(好むと好まざるとにかかわらず)梶原作品から何らかの影響を受けている。大人になった今でもその影響を自覚させられる場面があるという人も多い

もっとみる
第二回「侍ジャイアンツ」(2013年10月号より本文のみ再録)

第二回「侍ジャイアンツ」(2013年10月号より本文のみ再録)

 2013年のプロ野球界で、投手と打者の“二刀流”選手として注目を浴びる北海道日本ハムファイターズの大谷翔平。彼の活躍を目にする度に私はある人物を思い出してしまう。それは番場蛮だ。今から40年以上前の野球マンガ『侍ジャイアンツ』に登場した彼は、早すぎた“二刀流”選手だった。豪速球と幾多の魔球を投げる投手であるだけでなく、一本づり打法でここ一番チャンスに強い打者である番場蛮の、マンガやアニメでの大活

もっとみる