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COVID-19ワクチン政策が失敗しないために

(8/14追記) 論旨が十分でない箇所を一部修正しました。

こんばんは。今日もお疲れ様です。

先週、2020年8月6日に、新型コロナウィルスに関するこの半年間の政府が出してきた対応策についてざっとレビューしました。

書き終えたくらいのタイミングで、ネットでは英国の製薬企業アストラゼネカがワクチン提供を日本政府に申し出て、政府も合意したとの報道があがりました。

アストラゼネカが供給する予定のワクチンは、オックスフォード大学と(共同で)開発しているそうですし、来月からは(日本以外の海外で)提供が開始されるので、品質的には間違いないのかも知れません。
製薬企業のノウハウとして、一度製造方法・製造過程が確立できれば、あとは量産できれば出来るほど収益は増えます。
その場合、日本のマーケットのように、人口がそこそこ居るけれども購買力があるところは、我々の想像を超えて先方から提案してくるような美味しいマーケットだったのでしょう。

しかし、「接種が必要な回数は1回か2回になる予定で、5千万人分以上に相当する計算となる」そうですが、2回接種して体内に抗体が作られたとして、その抗体がどれくらいの間有効なのか、上記の記事を書いた産経の記者は気にもしてないようです。

新型コロナウィルスの抗体の残存期間を調査した報告が海外で多くなされていますが、1か月で抗体が消滅してしまった事例もあり、インフルエンザ予防接種等で作られる抗体に比べ、非常に短期間で体内から消えてしまうようです。

また、新型コロナウィルスにはいくつかバリエーションがあるようで、発生直後に中国武漢を中心に猛威を振るったタイプと、イタリアを中心にヨーロッパでその次に猛威を振るったタイプ、そして現在日本でじわじわ感染者数が増えているタイプは、それぞれ異なっているようです。
そのバリエーションに対しては、これから治験で確認するようですが、海外の治験で大丈夫だったとしても、日本での治験では違う結果が出るかも知れません。
それなのに、既に契約を締結してしまったようで、本当に大丈夫なのでしょうか。
有効なバリエーションが広まっている海外の地域に無償で配布すれば、人類全体としては無駄にはならないかも知れませんが、日本にとってはおおいなる無駄になりかねません。

インフルエンザワクチンのように、その年に流行すると予想されるインフルエンザのタイプに合わせて、日本では2種類程度のバリエーションが用意されるのですが、どこの病院にどちらのタイプが納品されたかは、現在一般には開示されないし、接種を受けた人がもらう小さな紙片に書かれている情報でしか判断できません。
新型コロナウィルス用のワクチンは、インフルエンザワクチンとどう特性が異なるのか、それもよく判っていません。

それでも、接種したワクチンが全く効果が出ないとかではなく、ある程度効果があることが社会的にも認知されれば、それで安心して社会活動や経済活動を再開させることができるようになる訳ですから、接種したいという需要は強いでしょう。
現時点では値段も公表されていませんが、製薬企業は、折角の先行者利得を無にするつもりは全くないでしょうから、原価で売るつもりはないでしょう。
実際に接種が始まるのは、政府の予算制度で言うと来年度になりますから、政権がオーケーなら今の日本では、金額にこだわらずにそのまま国会で可決されるでしょう。
そして、国内ではワクチンの効果を最大化させるため、国民全員が接種するよう求める大合唱が沸き起こると思われます。

そうなると、もう誰にもとめようがなくなって、ワクチンを接種しない人は家に引き籠って居ろ、というような議論が横行しかねません。
そして、海外の企業を儲けさせるためだけの体制を、挙国一致で作り上げることになってしまうのでしょうね。

そのあたりも踏まえて、国会とか厚生労働省の有識者会議でしっかり議論してもらいたいと思うのは、私だけでしょうか。

では、また明日。


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