スーパークレイジー君を正しく理解するために
<初稿:2021年2月20日 23:29 追記:2023年9月17日>
こんばんは。今日もお疲れ様です。
*本稿は、スーパークレイジー君が戸田市議会議員選挙に立候補し当選した直後に初稿を書きましたが、その後、様々紆余曲折がありました。
ネットで検索してきて読んでくださる方も居られるので、追記しました。
スーパークレイジー君って、ご存じでしょうか?
Wikipediaにも登録されている、すっかり時の人となった36歳の若者ですが、おそらく、彼くらい誤解を受けやすい人も居ません。
私も、元政策秘書仲間から「この人実は凄いよ」と教わるまで、単なる
都知事選の冷やかし候補かなんかと誤解していた位ですから。
今日は、そうではなかった、という状況証拠を集めてまいりましたので、
出来れば最後までお読み頂けると嬉しいです。
1.スーパークレイジー君とは
上記にリンクを張ったWikipediaの記述を読んで頂ければ一目瞭然ですが、
敢えてコピペさせて頂くと、スーパークレイジー君の異色のキャリアが
ご理解頂けると思います。
この経歴見ただけで引いちゃう人も居るかと思いますが、まず、父親の職業は息子のせいではありません。
10代の頃の素行は、確かに眉をひそめる内容ですが、若気の至りってやつでしょうし、同時期までに父親も投獄されていた、というそれも本人には責任のない事情もありましたし、少年院に入ったのは、内容的には速度違反とか喧嘩したとか集団で騒いだ、ということですし、そして本人は少年院で刑期を全うして会心しています。
そして、ここに書いてありませんが、銀座のクラブの雇われ社長やったりもしています。従業員の気持ちが判らずに勤まる仕事では到底ありません。
2.スーパークレイジー君の政策
私の知り合いの国会議員政策秘書が、たまたま都知事選でのスーパー
クレイジー君の、街頭で繰り広げられる演説を聞くチャンスがあったそうですが、自身の経験に基づく経験から語るその内容は、論理的にきちんと構成されていて、小池百合子や小笠原健司が語る政策よりもよっぽどまとも
だったそうです。
小池百合子の政策なんて、「ノー満員電車」とかですから。
いや、そもそも本人が政策を口にする動画って、ありませんよね。
どうやってそれ実現するんだよ、って、百合子に対して誰でも突っ込める
レベルです。
その演説とはおそらく違うでしょうが、YouTubeにその演説の一端が判る
映像がありました。
政治家としては稚拙な演説ではありますが、正直な自分の気持ちを語っても、政治家の年齢的にはまだ許されるレベルだな、と思います。
(ちなみにこの画像は30代前半の時のです)
こういうしゃべり方を老人がやっても受け入れられませんが、スーパー
クレイジー君の年代に近い人たち、子供から30代までの若者には通じるのでしょう。
都知事選でのスーパークレイジー君の公約その1は風営法の緩和です。
これは、真っ当に営業している飲食店には助かる中身の政策です。
なお、ここでひとつ留保条件をつけますが、論理的に構成が正しいとしても、本当に「練れた」政策になっているか、実現しやすい政策になっているかは別問題です。
正直、スーパークレイジー君の政策は、多くの仲間を集めて改正法案を国会に提出しないと実現しないので、東京都知事になったとしても、そして後述する埼玉県戸田市議会の議員や宮崎市議会の議員になっても、実現するものではありません。
本人もそれは理解しているようで、上述の映像の中でも、本人は比例代表を目指す、という発言をしていますし、少なくとも昨年の時点までは、
今後は国会議員を目指す目標を持っているようです。
2.戸田市議会議員へ
東京都知事選は当然落選しましたが、2か月後の2020年9月、埼玉県戸田市に転居して、今年2021年1月、スーパークレイジー君は市議会議員選挙に
立候補しました。
都知事選の時はノウハウ不足で、「スーパークレイジー君」の通称を使う
ことが選管に認められませんでしたが、ノウハウを積んで、市議選では
「スーパークレイジー君」の名称を使うことを選管が認めました。
そして、ぎりぎりで当選。
当選直後の報道では、例えばフライデーは好意的な記事を書いています。
そしてなにより、スーパークレイジー君は「20年以上、国内外の選挙の現場を多数取材している、開高健ノンフィクション賞作家」である畠山理仁さんの目にとまり、選挙エッセイとして紹介されています。
長文なので引用しませんが、よく取材されているので、ぜひこちらも全文
読まれることをお勧めします!
畠山さんが書いてないことを補足します。
どこの地方自治体選挙もそうですが、住民は選挙に関心がありません。
自民党、公明党、立憲民主党、国民民主党、維新、日本共産党の支持者
から、頼まれて選挙に行く人も居るでしょうが、有権者の半分にも満たない
ケースが多いです。つまり投票率が50%かそれ以下になります。
なので、スーパークレイジー君は912票しか得票してませんが、逆に言えば、912票で当選できたのは、やはり住民の関心が低く、それだけしか得票しなくても当選できる下地ともいうべきものがあったからです。
他に、彼より知名度の高い人がもう2人立候補していたら、彼の当選は
なかったでしょう。
そして、その912票は、これまで一度も選挙に行ったことがない人が多く
含まれていたようです。
つまり、スーパークレイジー君は、選挙に関心のない人たちの関心を向け
させたことによって当選した、ということになります。
これって、本当に素晴らしいことです。
民主主義選挙の王道ともいうべき勝ち方です。
畠山さんの記事の最後の紹介されている、今月、2月1日撮影されたスーパークレイジー君の当選直後のビデオです。
このビデオを見て、私は、スーパークレイジー君を応援したい、という気になりました。
Wikipediaに記載されている彼のこれまでの人生は、正直大きなマイナスからのスタートでしたが、スーパークレイジー君は、彼に投票してくれた912人の戸田市有権者を、絶対に裏切るようなことはしないでしょう。
3.当選後のトラブル
さて、36人立候補者中26人しか当選せず10人が落選となった戸田市議会議員選挙ですが、スーパークレイジー君は当落線上、下から2番目というギリギリで当選したこともあって、市民から異議申し立てをくらいました。
・・・という訳で、この件はまだ最終的な決着がついておりません。
19日、金曜日の選管による居住実態の調査(ヒヤリング)では、同席した奥さんがブチ切れるという場面もあり、前途は多難かも知れません。
(ここまでの文章もところどころ修正を入れましたが、ここからはすべて追記です)
そして、結局「居住実態がなかった」ことにされてしまい、選挙管理委員会から当選無効とされてしまいます。
この対処ですが、実は選挙管理委員会の立候補受付手続きはかなり複雑で、ちゃんと事務処理が出来る人でないと、選管からいろいろ指摘されて、
ブチ切れてしまいます。
ただ、居住実態の聴取は、住民からの訴えがない限り、通常なされません。
私は今年、横浜市会議員選挙の事務手続きを代行したのですが、その際も
居住実態に必要な資料の提出は求められませんでした。
なので、例えば政党候補が次点で落選したりすると、その党の支援者の住民が、訴えというか選管にクレームを付けて、居住実態聴取を実施させる、というのはよくある手です。
4.居住実態証明に必要なもの
さて、「居住実態」を証明するものって、具体的にはなんでしょうか。
ちなみに、住民票では不十分とされています。
ただおかしいのは、住民票の届があったら、市役所は、その住所宛てに転送不許可の通知書を送る筈です。
それが宛先不明で戻ってきたりしたら、虚偽の届け出がなされたと判る筈です。
また、その通知書発送によって、戸籍や住民登録が正しくなされていることの確認をする義務が単位自治体にはあります。
埼玉県戸田市は、そうした基本的な事務をないがしろにしていた、ということでしょうか。
ただ、政治家を志す人は、そんな「酷い」自治体から立候補する運命も担う訳ですから、それに対する対応をしないといけません。
例えば、選挙直前に落下傘でその地域に引っ越して来たのなら、留守を守る家族と、実際に手紙のやりとりをしておくべきです。
ちゃんと切手を貼って、消印が押された封筒と中身が必要です。
今は、誰でもスマホを持ってるのですから、本来そんな面倒な作業はしなくていい筈ですが、これまでの政治家がそこをサボっているので、そんな旧態依然とした手続きが必要となりますし、もしかすると「そんな面倒臭い
こと」を自治体に届けず、住所不定の輩が密かに増えているのかも
知れません。
また、居住所近くのスーパーやコンビニ、クリーニング店のレシートを
しっかり保存しておくとか。
逆に言うと、それだけでもやっておけば、居住実態のヒアリングの際に、堂々と抗弁できたと思うのです。
返す返すも、スーパークレイジー君にそのノウハウを伝えてあげられ
なかったのが、悔やまれます。
5.戸田市長選、宮崎県知事選、宮崎市議会選
さて、これも上記のWikipediaに記載されている通りですが、スーパー
クレイジー君は、戸田市長選、宮崎県知事選、宮崎市議会議員選挙と、
めげずに挑戦を繰り返し、無事に政治家に復帰しました。
その間、高卒の資格も取得し、大学の通信教育にも申し込んでいます。
スーパークレイジー君の言葉を借りれば、「過去は変えられませんが、
これから頑張ります」なのでしょう。
しかし、これもまた本人が否定する疑義をかけられて、今度は性的暴行容疑で逮捕されてしまいました。
今後とも予断なく見守っていきたいと思います。
では、また。
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