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「いくよ、フィナーレへ」セクサリス・サーガ完結記念、少女病特集vol. 1(サンホラとの比較・初心者向けCD紹介編)


はじめに

 先日少女病のラストアルバム「真典セクサリス」のマスターアップが発表された。明らかに聴くのに覚悟がいる代物が配達で日程指定なく(6月上旬という大まかな指定はある)送られてくるとなると戦々恐々ではある。
  この特集自体はセクサリス・サーガ完結記念並びに自らのラストアルバムに対する備えとして各CDを振り返り及び少女病に関する紹介記事になる。筆者自身は、本のレビューぐらいはたまに上げるが、音楽の紹介となると完全に初の挑戦であり、長文自体もかなり久々なので、その辺り御容赦いただきたい。
 今回は初回なので同じ物語音楽の雄であるSound horizonとの比較から少女病自体の紹介、初心者向けCDについても記述する。

少女病とは-サンホラとの比較-

  今回vol. 1ということなので、少女病自体に関して紹介しておこう。少女病は物語音楽の雄であるSound horizonから見てやや後発の物語音楽の使い手である。
  否が応にもこの時期の物語音楽はSound Horizonと比較される他ないため引き合いに出したが、というのもライター、ストリングス、コーラス隊、声優陣、バンドなどを取り揃え、大規模な編成をせねばならないこのジャンルは、比較対象が少ない。体系的な世界観を持って作品制作を行なっていたのは少女病とサンホラぐらいのものである。
 サンホラとの相違点を挙げると、サンホラの音楽的背景には日本のゲーム音楽、特にRPG周りの音楽があるのに対して、少女病はゲーム音楽の中でも当時の美少女ゲームからの影響が極めて強い。いわゆる「電波曲」「セカイ系」との親和性がサンホラに比べて高いのに加えて、メタル要素の比重が大きい。
  総じてMoira以降オペラ・ミュージカル方面の大作路線に向かったサンホラに対して、ストリングスとピアノが入ったバンド形式をほぼほぼ崩さず、その枠組みの中で攻撃性を増していったのが少女病である。
  物語の方面で見ると、サンホラは一つの作品内で独立した世界観を展開しつつ、緩やかなオムニバス形式を取っているのに対して(moira除く)、少女病(セクサリスサーガ)は一作品で一貫した物語を描きつつ、作品間での確固たる繋がりを持つのが特徴である。
  総じて少女病としての強みは
・一貫した物語性。(ラストアルバムCF挨拶欄の「全ては物語のために。」は伊達ではない)
・強力なメタル的サウンド。
・イラスト、歌詞から溢れ出る素晴らしい世界観。
  の3点が上げられる。

初心者向けCDの紹介(計3枚)

・蒼白シスフェリア


 記念すべきメジャーデビュー後最初のシングル。何より魔女に関わるセクサリスサーガの設定に関して端的に説明している作品であり、アップテンポな曲もバラードもどちらもあり、少女病の強みを3曲で簡単に理解できる。メジャーで流通していたので入手が容易な上に、現在は各種サブスクでも配信されており垣根も低い。

・残響レギオン

 メジャーデビュー後初のアルバム。一貫した物語と極めて秀逸な曲の並べ方、豪華声優陣に、他作品を聴くに当たっての足掛かりとしても機能しており、極端に長い曲や語りが多すぎる曲も無いため入門向けの一枚。
 何より一曲目「深紅のエヴェイユ」は全作品通しても最高の導入曲なので是非とも一曲目だけでも聴いてほしい。こちらも各種サブスクで配信済み。

・告解エピグラム

 同人で発行されたアルバム。 作品の設定上Moira以外のサンホラアルバムのような緩やかなオムニバス形式のアルバムであり、ローランは聴きやすそうな一品。
 丹下桜ボイスが素晴らしくキマっているのもオススメの理由ではあるが、三曲目の「Double Cast」は11分超えの大作であり、単曲で物語音楽を完成させている。物語音楽に慣れている方には一度聴いていただきたい一品。

次回Vol. 2 「メジャーデビュー以前編1」

 

https://note.com/19591969/n/n5a67522dfd9a



  


 


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