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生き生き村の村長だった門脇邦弘さんに教えていただいた「相手研究・自分工夫」

門脇さんから学んだ「SEE-THINK-PLAN-DO-SEE」

『蘇れ!生きる力』という本が手元にあります。副題は「飽食の現代に『生き生き村』の挑戦」、2002年に木本書店という出版社から発売されました。先日たまたまネットで見つけてすぐに購入しました。

著書は門脇邦弘さん(生き生き村村長)です。前職の会社時代に「歩行ラリー」という研修で、主催者の門脇さんと知り合いになり、たくさんの教えをいただいたのですが、残念ながら2009年に67歳で亡くなられました。

門脇さんから教えていただいたことは「SEE-THINK-PLAN-DO-SEE」に基づく「チーム発想」です。すぐPLAN(対策)に入らずに「事実を見ることの大切さ」を徹底的に教え込まれ、いまも考え方の根っこになっています。

著書:門脇邦弘さん(生き生き村村長)

織田信長の草鞋取り(ぞうりとり)だった木下藤吉郎の話

もう一つ門脇さんから学んだ大事なことが「相手研究・自分工夫」です。著書にはこの言葉が見当たらないので、何かの引用として語られたのかもしれません。それは豊臣秀吉がまだ木下藤吉郎だった頃の草鞋取りの話です。

織田信長の家来となった木下藤吉郎に与えられた仕事は草履取り、信長の履物係でした。凍てつく日に信長は部下を集めて軍法会議をしています。会議を終えて出てくるのを待っている藤吉郎にこんな想いが浮かんできます。

「草履を履いたときに温もりがあると喜ばれるのでは?」、特別な準備もせず、すぐに出せるようにと、何と藤吉郎は自分の懐に草履を入れたのです。その心地よさに、信長はその工夫を褒め、草履取りの頭を命じました。

目指す相手とは誰なのか?その人たちは何を求めているのか?

内容は若干異なるかもしれませんが、門脇さんはこのエピソードを紹介しながら「相手研究・自分工夫」の重要性を語られました。「信長?藤吉郎?古い話ですね」と思わずに、「相手研究・自分工夫」を考えてみてください。

前述の「事実を見る大切さ」に基づき、「対策や工夫の前に事実をよく見ろ」という教えです。この「相手研究・自分工夫」はファンづくりに通じる大事な要素だと思うのです。

自戒を込めながら、経営の現場には「相手のことをじっくりと見ずに、自分たちの都合でやっていることが多い」と思うのです。自分たちが目指す相手とは誰なのか?その人たちは何を求めているのか?ここが出発点です。

チーム発想:SEE→THINK→PLAN→DO

全員が顧客の方を向いて「相手研究・自分工夫」を実践する

「SEE-THINK-PLAN-DO-SEE」や「チーム発想」が「みんなで」が取り組むことが条件になっているように、「相手研究・自分工夫」も社員全員の取り組みです。意識的に全員が顧客の方を向く必要があります。

まずは「相手研究」です。ある方の相手の要望や期待を知る方法は「観察・質問・商品提示」でした。料理道具専門店「飯田屋」(東京都台東区)の「ヒントノート」は接客で知った客のニーズをまとめたものです。

「自分工夫」の発想で必要なのは「仕組み」です。木下藤吉郎は、誰でも、すぐに、場所や時間を選ばず、低コストで、簡単に再現できる方法を考え、懐に入れることを思いつきます。まさに自分工夫の仕組み化です。

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