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カテゴリーの掛け算で、独自の立ち位置をつくリ、お客さまにとっての「No.1」になる

お客さまの記憶に残らなければ存在しないのと一緒です

上の画像はイメージですが、男子100mの世界1位は9秒58を出したウサイン・ボルトです。では第2位は誰でしょうか。僕も知りませんでしたが、9秒69(1位とは0秒11の差)のタイソン・ゲイとヨハン・ブレークです。

2位でもすごいのですが、「タイソン・ゲイとヨハン・ブレークを知ってる?」「誰それ?」・・・多くの人は二人を知りません。一方、「ウサイン・ボルトは?」というと、かなりの確立で「世界1位だね」になります。

No.1は「○○○といったら□□□」と真っ先に想起される存在です。残念ながら2位では記憶には残りません。知らない人にとっては存在しないのと一緒です。「でも世界1位なんてとても無理だよ」・・・そうですよねえ。

差別化と独自化の違いは、視線の先にあるものの違い

差別化と独自化は似ていますが、見ている先が異なります。差別化とは競争相手との違いで、優位な立ち位置を得ることです。ということは、見ているのは競争相手です。相手も差別化するので差別化には終わりがありません。

一方、独自化は競争相手に勝つことよりも、競争しない立ち位置を見出すことに力を注ぎます。差別化の視点の先は競争相手ですが、独自化の視点の先は「競争のない立ち位置探し」です(意識していないかもしれませんが)。

競争のない立ち位置を探し出せるのでしょうか。そのポイントはカテゴリーの「掛け算」にあります。一つのカテゴリーではNo.1になれなくても、「他のカテゴリーとの掛け算」ではNo.1になれるからです。

カテゴリーも掛け算で、お客さまにとってのNo.1になる

「カフェ」で考えてみましょう。カフェ全般のカテゴリーではNo.1になれなくても、「カフェ」に「Book(店内の本が読める)」を掛け合わせると、立ち位置が変わります。それでも世の中にはブックカフェが数多くあります。

では、「本」に「ホテル(泊まれる)」を掛け合わせるとどうなるでしょうか。そうです、ブックホテルです。事例としては「ブックホテル箱根本箱」が挙げられます。宿泊してゆっくり本が読めるのは、本好きにはうれしい。

さらに「カフェ」×「Book」×「ホテル」を掛け合わせると数は絞られます。都内には「Book Tea bed」というブックカフェホステルがあります。箱根本箱にも自然派イタリアンがあるので3つの掛け合わせ事例かもしれません。

ある程度の専門性を持ち、自分独自の個性で掛け算をする

カテゴリーの掛け算には大事なポイントが3つあります。一つ目はそれぞれのカテゴリーの要素は、ある程度の専門性は必要ですが、トップクラスである必要はないことです。「箱根本箱」の本の量は図書館には敵いません。

二つ目は、掛け合わせるカテゴリーは「自分が持っているもの」を主軸に選ぶことです。当たり前ですが、自分ができること、やりたいことを軸にしないと、本当の掛け算にはなりません。好きがブランディングの原点です。

三つ目は最初から独自化を目指さないこと。なぜならばキワモノになりがちだからです。他にない立ち位置でもキワモノは一時的な流行で終わります。一つひとつを時間をかけて磨いていくことで、真の独自化が生まれます。

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