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【NIWAの話】分枝効果

さて最初のブルームの季節がおわって、二度目がやってきました。
この季節のすこしまえ、暖かくはなりはじめたけれど未だ肌寒かったり、風の強い日があったりと、不安定なお天気がつづきます。
そして最初のばらの蕾たちがちらほら咲き始める頃、
たいていその頃に、嵐がやってくるのです。

ことしもご多分にもれず強い風が吹いた日が三回ほどありました。
ブルーガーデンをめざしているうちの庭の毎年咲いてくれる大輪のブルームーン、青紫の大輪の薔薇ですが、
これが一晩で散ってしまいました。それから東側の壁をかざってくれているフロリバンダ系のホワイトベアも、きづけば花芯だけに。

今年は剪定しないで咲くだけ咲かせて、たいてい高い位置から開花しますから、終わった枝をどんどん切り詰めてゆく作戦です。毎朝パジャマのまま外に出て終わった花を片付けていきます。

案の定、大風が吹いた翌朝は、花びらの残骸があちらこちらに。
そして薔薇だけじゃなくて、花芽を伸ばし始めていたデルフィニウムとジギタリスにも大風の影響が。
天に向って伸びていた繊細なのがぽきりととちゅうで折れていました。

毎年、これで失敗するのですが、
今年は意を決めてバッサリ切り取りました。
そして2週間後・・・。

左にみえる小さな花の穂が、切り取ったあとに伸びた2度目の花芽です。よく見ると2本ありますから、増えたことになります。

勝手に分枝効果とよんでいるのですが、初夏のこの季節から、長く伸びてきた草花の枝を途中で切ると、そこから別の枝が伸びてきます。これ、ご近所の園芸愛好家さんから教わりました。

もともとは菊に使っていた方法です。
菊は放っておくとひょろりと茎一本で伸びてしまいます。
一本ヒョロリも良いのですが、
家庭の庭ですと菊には菊でちょっとした茂みをつくって庭のパレットの一角を華やかに彩ってほしいものです。
そこで、ほしい高さまで伸びたら、定期的にその高さまで切り戻すのです。すると菊は枝を増やします。増えた先にそれぞれ花芽をつけます。
秋になったら剪定をやめて花芽をつけさせてやる、という具合です。
切らずにひょろりとのびた茎が地を這うように伸びる姿は、黒留袖の裾模様や日本画にも描かれていて趣があってこちらもよいものです。
それがお好みのかたはそのままで。

さて、デルフィニウムはこの方法が功を奏したようで、
あとから出てきた芽にも枝が伸びて一株にいくつもの花穂がついてくれました。

でもこの方法はどの植物にも効果があると言うわけではなさそうで、
チョコレート色のジギタリスには、まだ次の花は出ません。
最初の花芽にエネルギーを使い果たし、

「もう一つ作れといわれても・・・」
という状態なのかもしれません。

いずれにせよ、デルフィニウムもジギタリスも、宿根草です。来年、再来年・・・とまだ時間はたっぷりあります。ようすを見ながら育てていきましょう。

庭にはいろいろあるものです。
そういえば去年、忙しさに蒔くのが一月おくれた種の芽が今年発芽していました。いいえ、気づかなかっただけで、人知れず咲いていたのかも知れません。去年はあつすぎて開花しなかったので、
「自分にあった気候になったらめがでるよ」とはなしていたのでした。

先端の芽を切り取った菊も、
そのままひょいと地面にさしておくと、そこに根を張って、秋には花芽を持ちます。そうなったらもう抜くのが面倒になるくらい。
植物にも場所の好みがありますからね、100%じゃないですけどね。

いろいろ庭にはあるものです。
分枝効果のお話でした。

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