認知症検査
長寿医療センターで認知症検査を行った。担当者と1対1でのアンケートとMRI検査までは緊張感なく終わった。その後の検査結果が悔やまれる。握力・身長・体重・体脂肪率・歩行速度?・血圧測定はそれほど悲観するものではなかった。悔しかったのは記憶力と計算力を測定する知能テストだ。数秒間で10個の言葉を覚えて、50個ほどの言葉の中から覚えた言葉を選ぶ。しかし、10個のうち7個しかはっきりした記憶はない。だから残りは適当に答えた。別の検査をした後に、またしても50個の言葉から最初に覚えた言葉10個を選ぶように言われた。最初のテストで適当に答えた言葉が頭をよぎる。選択した後で、最初にあった言葉だろうかと不安になる。1回目に自信のあった言葉まで間違っている様な気になる。最初に正しく覚えていた言葉は7個だったのが5個に減少した。つまり、残りの言葉は確信のない当てずっぽうになってしまった。このテストはこれで終わりではなかった。別のテスト後でまたしても10個の言葉を思い出せと言われた。3回目だ。恥ずかしくて居た堪れない。
「お前の記憶力は劣っている。」
これが骨の髄まで沁み渡った。
8年前に受けたテストの中に100から順に7を引いていくテストがあった。あの時、結果が悲惨だったから、散歩の途中で練習したことが何度かあった。それよりも何より、10分ほど前に実施したMRI検査中、テスト問題を予想して、目を閉じた暗闇の中で100から順に7を引いて、最後に2が余って正解した。だから、同じ問題が出て「しめた」と思った。ところが、意気込んで始めた引き算が50近くになった時、急にできなくなった。
「あれっ」
引く前の数が出てこない。焦れば焦るほど頭の中が真っ白になる。テスト終了前に、試験官に敗北宣言をした。
「できません。」
腹の中は、
「もう堪忍してください。」
情けなくて仕方がない。もう一つ知能検査があった。3つの言葉「桜」「猫」「電車」を覚えて、数分後に順番通りに答える問題だ。これも途中で敗北宣言をした。結果は郵送されるそうだが悲惨な結果は明らかだ。
同じ認知症検査を受けた妻と帰る車の中で忘れていた3つの言葉「桜」「猫」「電車」を教えられた。あの時は覚えられなかったけれども、今は1週間経っているが、それでも思い出せるのに、あのテストでは覚えられなかった。惨めな結果で情けなくなる。
ICT支援員の仕事ができているのは今までの経験のお陰であるらしい。そして、好きな仕事であるから、ある程度集中できるのだろう。決して若い人には敵わないから、仕事には時間をかけ、予習を心掛けようと思う。
2日前に市教委から来年度ICT支援員に任命するとの書類をもらった。不安が頭から離れない。出来なくなったら辞める覚悟はできている。その時は認知症検査で味わった以上の悔しさを感じるだろうが、願わくば、来年度が無事に過ぎて欲しい。
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