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ジジババの夏休み

 息子夫婦と2歳の孫は日曜日に帰り、「高浜に泊まりたい」と言う小1の孫が残りました。月曜日から孫が泊まり込んで、毎朝ザリガニ取りに明け暮れた。孫の世話は遊ばせればいいわけではなく、塾の宿題、自由研究、ピアノの練習が毎日あるのですが、ジジババに甘えてなかなか聞き分けません。
「明日のザリガニ釣りは中止にするぞ。」
また、
「好きなおもちゃを買ってやる。」
脅したりすかしたりしてなんとかクリアしてました。

 月曜日から泊まって、金曜日夕方にママが名古屋駅まで迎えにきて東京に帰る予定でした。ところが、台風7号が東京をかすめるため16日金曜日の新幹線が終日運休のニュースが水曜日の夜に飛び込んできました。次の週からは沖縄旅行の予定なので台風が通過する前に東京へ帰った方がいいことになったのですが、15日木曜日は息子夫婦は仕事で都合がつきません。16日金曜日も仕事で休めない。2歳の孫には保育園がありますが、小1の孫の面倒を誰もみることができません。どうやら、息子夫婦は沖縄旅行のためにお盆の期間は出勤する必要があったようでした。色々考えた挙句、木曜日に我々夫婦が孫を東京へ送って行き、翌日の16日木曜日は東京で小1の面倒を見ることにしました。早速、スマートEXで行きと帰りの予約を取りました。妻は一人で大きな荷物を持って孫を連れて行くのは不安だと言うので私も同行することになりました。
 予定変更は孫の機嫌を大いに損ねたらしく、
「帰りたくない。」
「今日は水族館に行く。」
泣きわめく孫をなだめながら東京行きの準備をしました。同居していない可愛い孫はなかなか叱れません。たとえ大人の都合であっても目に余れば強引に出る必要があります。ただ息子を育てた時とは違って、できるだけ道理を解いて本人が納得するように努めました。孫は泣く泣く承知してくれました。
 この東京旅行では、もう一つ問題があります。それは私が痛風の痛みに耐えながら旅行を強いられることでした。妻にも息子にも言えませんでしたが、痛さと不安でいっぱいで孫のように泣き叫びたい気持ちを家族のためだと自分自身に言い聞かせた。どれほど痛いかと言うと、患部を安静にするため寝ているのですが起き上がるため膝を曲げると激痛が走ります。ズボンやパンツを履く時に激痛に耐えながら履きました。17日土曜日、高浜に帰る時はとうとう我慢できずに妻に靴下を履かせてもらったほどです。近い将来を暗示するような毎日でした。
 息子家族に見送られてタクシーに乗り込み、台風一過の空を見ながら家路につきました。思い起こせばザリガニ釣りで始まった孫との夏休みでした。高浜で孫と一緒に寝ることができました。寝相が悪くて何度も蹴られて目を覚ましましたが、家族のために働けることが嬉しかった。足は痛かったけれども、楽しい思い出ができました。
 今後は老いが進んで今回のような体験はできなくなる気がします。残念ですが、孫は大きくなり我々は年老いていきます。これが自然なことなので心穏やかに現状を受け入れようと思います。

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